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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第3章 「元整備士」×「スバル360」


あの日の翌日、降谷くんは再び私の自宅へ手続きの書類を大量に持ってやって来た。
自宅のリビングへと案内するとアール・ヌーヴォー様式で統一された内装と家具がそこには広がっている。壁に掛けられたテレビとカウチソファーの前に置かれたローテーブルに降谷くんは書類を広げるとソファーに腰かけ手際よく仕分けしていく。その間に私は飲み物を入れにキッチンへと向かい、そこから見える彼の背中に私は声をかけた。

「コーヒーか紅茶、どっちがいいですか?」

茶葉の入った紅茶の缶とコーヒー豆の入った銀色の袋を持ち上げて問いかけると一瞬降谷くんがこちらへ振り返る。数秒してまた視線を戻すと「コーヒー」とだけ答えて再び書類に目を向けた。

降谷くんが書類を仕分けしている間に出来上がったコーヒーとトレーを持って行き、邪魔にならない机の端にソーサーとコーヒーカップを置き、昨日の夜、作業がスムーズに進むようにある程度契約に必要なモノを一式まとめたポーチを持って書類に目を通している降谷くんの背後から並べられた書類を一通り眺める終わると同じソファーへと腰かける。
いつもより沈むソファーの感覚が新鮮に感じてなんだか少し嬉しくなった。

「印鑑、朱肉、身分証明書、証明写真と私の個人情報以外に何か書いたりすることあります?」
「ない、ほとんどはマニュアルと契約書、あと拳銃の所持登録」
「いちいち出しただけで報告書出さなきゃいけない方の?」
「いいや、じゃない方」
「さすが公安」

単調な会話が途切れると同時に私は目の前に置かれていた契約書にボールペンでサインし朱肉に人差し指を押し付け、すれ違うように降谷くんは机の端に置いておいたコーヒーカップを手に取った。
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