【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第2章 「公安警察」×「整備士」
「同業者か」
「そう。にわかには信じ難いことだけど父の人脈なら可能性はかなり高い。まあそれ以外に可能性だってなくはないけど、もし近づくなら警察官よりも同じ同業者の方が近づきやすいでしょう? それに、犯人はわざわざ結婚記念日の旅行の日付を知っていた。おそらく父と親しかった身内にいる。その帰りを狙ったのは長時間の走行や旅行終わりの疲労や浮かれのような無意識に放つ人間の心理状態を少しでも事故としての可能性を上げたかったから。そして、もし個人的に恨みを持っているにならばわざわざ細工をせずに身内なら車への部品よりも直接細工をして二人っきりの時に殺れば早いはず」
「それはつまり、犯人は二人とも殺すつもりだった」
「しかも、元々結婚記念旅行はお母さんのスケジュール管理のミスで一日ズレていたの。そしてそのおかげで、私は今ここにいる」
それを聞いた途端、背筋か震えた。
「犯人は〝私も〟殺すはずだったってこと」
「じゃあ、もしまだ犯人がお前を狙っていたらどうするんだ」
あの時から約五年、何もなかったのは偶然なのか本当に、本当なのか。俺は眉を顰めて問いかけた。
「私からしたら好都合、犯人をあぶり出せるもの」
宮下は頬杖をやめて今度はフェンスを両手で掴みグンッと呑気に腕を伸ばしながらそう言った。
「な――だったら尚更もっと警戒するべきだ。押し付けられたプレゼントも手土産も、毒や爆発物が入ってたらどうするんだ。あの男だってもしかしたら……、それに、死んだら全部終わってしまうんだぞ‼ お前なら良く分かってるはずだろ‼」
何を馬鹿なことを言っている、そう言いかけて一度は抑えたが、無意識にあいつらがチラついて最後には我慢できず声を荒げるが途端「アンタも人のこと言えないくせに~?」と反発され押し戻されてしまう。