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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第2章 「公安警察」×「整備士」



だがあの時、宮下が今でも警察官を続けていれば皮肉にも俺は今このRXー7には乗れていないだろう。
そして警察学校を卒業してから約四年の月日が流れた時、俺は途方に暮れていた。

「ええ、そうですか、分かりました。他をあたってみます。はい、ありがとうございます」

何回言っただろうこのセリフ、この電話の繰り返し。手元のスマートフォンでもう一度検索をかける。〝スポーツカー〟〝修理〟〝ボロボロ〟もうある程度名のしれた整備店はもちろん、個人経営の小さなところまで巡ったが皆口を揃えて『治せない。うちでは廃車扱いだ』と言われ廃車の手続きを勧めてくる。冗談じゃない。
その時ふと、そう言えばそんなやつがいたなと。宮下のことを思い出した。昔宮下とヒロが話していた会話を頼りにスマートフォンで〝宮下〟〝人力車〟と検索をかける。

トップに出てきたのは検索エンジンに関連した広告や関係ない記事ばかり。スクロールを続けて目を止めたのは一つのニュース記事。
〝お手柄! 開かずの金庫を整備士が解除 館長が激励〟
画像にはやけに見覚えのある横顔の人物な気がした。タップして確認するも名前などは一切書かれていなかった。白髪の老人がウィンドブレーカーを来た女性を讃えているたった一枚の画像。これは絶対宮下だ。なぜか確信が付いていた。
そして記事に乗っている博物館へを通じて手に入れた宮下の連絡先。俺は電話番号を入力し〝発信〟と記載されたボタンをゆっくりと押した。

ツッツッツ、プルルルッ

ワンコールでその音は途絶え、代わりに聞こえて来たのは愛想のいい快活な女性の声だった。
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