【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第2章 「公安警察」×「整備士」
そして今日の授業が終わり松田達と別れた後、俺は教官にそれを伝えようと階段を下ると、俺の行動を予測していたのか踊り場の端には宮下はいた。
「いい」
発せられたたった二文字に俺は疑問を抱いた。
「あれは君が勝っていた」
「運も勝負のうち、ジャンケンと同じよ。それに成績には関係ない」
それだけ言って宮下は帰って行ってしまった。そして次の日、なぜか今度は宮下が松田達に質問攻めに合っていた。
「宮下ちゃん! 降谷との対戦凄かったよ~! さすがツートップだね!」
「ありがとう萩原くん」
「お前、もしかして実は正体隠して学校に忍び込んでる現役の警察官じゃないだろうな…?」
「伊達くん、……メガネ壊れてるんじゃない?」
「かけてねーよ!!!」
ブヒャッ、と松田とヒロと萩原が同時に引き出しては笑い出す。あの時からなぜか松田達は以前よりも宮下へ絡むようになった。
ある時は、『今度は剣道で勝負してみろよ! アイツバカ強いぞ!』と話す松田に『松田くんがすればいいんじゃない?』なんてウザ絡みしていたし。この前は『今度のプレゼントやっぱりこっちの方がいいと思うか?』と問いかける班長に『伊達くんが似合うと思う色いいんじゃない?』と彼女のことで相談事をしていたし。
「宮下ちゃん! 宮下ちゃんって高校どこ出身? 彼氏とかいたりしたの?」
「帝丹高校だよ。そういう萩原くんは?」
「あ〜、気になっちゃう?」
「いや、会話のキャッチボールの基本だから」
「お前ら、仮にも女の子なんだから男みたいなノリ使うなよ。ごめんね宮下さん、デリカシーなくて」
「ううん、大丈夫、気にしてないよ。諸伏くんも気遣ってくれてありがとう。」
今は教室の端で俺を置いてそんな会話が繰り広げられている。相変わらず愛嬌がないようであるような変な奴だった。
そして宮下があの有名な江戸時代から伝わる宮下整備施設の四十五代目当主、宮下修造の娘だと知ったのは偶然ヒロとの会話で発覚した。