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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第2章 「公安警察」×「整備士」



そんな方法、一体どこで習ったんだ。授業では習ってないぞ。勝敗がかかっていることもあってか思わず舌打ちをしてしまう。

宮下にとっては、女性であることがすべて武器なのだ。それを俺は身を持って体感した。だが俺も男としてのプライドってものがある。女性に負けたらたまったもんじゃない。一旦実を引こうとするが宮下は続けて持っていたゴムナイフを口でくわえ今度は両手で組み付いてきた。

そうだ、ナイフを持っているからと言ってナイフを使ってくるとは限らない。ナイフを持っているから片腕しか使えないという固定概念に惑わされていた。ルールはナイフに触れてはいけないこと背を付けてはいけないことしか言われていない。これは俺の決定的な油断だ。
先ほどの組手の練習よりも強く組み付かれていることが体感でも分かった。このままだとてこの原理で思いっきり投げ飛ばされる。
少しでも相手を有利にな立場に立たせてはいけないと瞬時に空いていた腕を割り入れ阻止する。

口にくわえたナイフを意図的に落とすかもしれない。また子供だましを仕掛けてくるかもしれない。考えるのは常に可能性と最悪の状況からの回避、そして一瞬でも気を抜いたら突かれる。

掴まれた宮下の腕の上から俺は掴みかかり仕掛けに出た。宮下は握力がない。さっきの練習ですでに把握済みだ。
腕力さえ奪ってしまえば、たとえ武器や技術があっても、最終的に必ず生まれるのが力の差だ。この世界の成り立ちと同じ、力は権力だ。善にもできるし悪にもできる。
つまり、最初から単純に真っ向勝負に持っていけばよかったんだ。宮下にはつらい現実を突きつけるかもしれないが、割り当てられた役も役だ、彼女にはヒールになってもらう。

宮下に組み付かれた腕を振り払い俺が背後に回ろうとすれば宮下が急な間合いに警戒しだす、それを待ってたんだ。目的は宮下の背後ではなく腕。最短距離、ちょうど彼女の身体が背を守ろうと俺の立ち回りに合わせる一瞬、わずかに横向きになるその瞬間。
俺が咄嗟に手を伸ばしたのは宮下の腕の関節。一瞬振り払おうとするが手首のように半回転は肘ではできない。しかし負けじと宮下が俺の襟元を掴んだ。
片手の背負い投げなんてできっこない。まんまと宮下が俺の仕掛けた真っ向勝負に引っかかったのだ。グッと引かれるが少し体が軽くなる程度、足先もついたまま。
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