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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第6章 「元整備士」×「コルベットC7」


会議室を出た後、風見さんの手を引きながら廊下を速足で通り過ぎる。
背丈は風見さんの方が上なはずなのになぜが風見さんがおどおどと困惑している様子を横目で見た私は口を開いた。

「風見さん、今すぐ車を出しておいてください。私はちょっと資料コピーしてこないといけないので…出来たら出入口前にお願いします」
「行先は、アメリカ大使館ですか…?」

腕を引かれたまま風見さんが困惑した表情でそう問いかけた。
階段通りの手前に着くと掴んでいた腕を離し、私はジャケットのポッケからスマートフォンを取り出して時間を確認する。おそらくあの人は家にいるだろう。

「いいえ、米花町に」
「…米花町? なぜ米花町に?」
「宛があるんですよ。アメリカ大使館を通すよりも、より確実に隠蔽されることなく正確な情報を最短で受け取れる宛がね。分かったら急いでください!印刷し終わったらすぐに向かうので!」
「わ、分かりました…!」

風見さんにそう吐き捨てた後、駆け足で階段を二段飛ばして駆け出した。
そして目的地に着いたのはその一時間後、米花町二丁目の高校生探偵である工藤新一宅前。車に風見さんを置いて「すごく長くなると思うので先に帰って貰って大丈夫です」と一言声をかけて助手席から降り、資料を片手に〝工藤〟と掲げられた門のインターホンを押せば、「はい、どちら様でしょうか」と胡散臭い声が聞こえてくる。

「警視庁公安部の宮下です。赤井さん、協力して欲しいことがあります」

そうインターホン越しに伝えれば返答が返ってくる前に家の門が空いた。そして気づけば約五時間、終わった頃にはすでに日が落ちておりタクシーで帰ろうとした所を赤井さんが身の安全の為車で送ってくれるというのでお言葉に甘え私は再び赤井さんこと、沖矢さんの愛車であるスバルに乗り込んだ。
いたって会話はない。拘束道路を走りながらただ私は窓の外の景色を追っている。

…なんか、前にもこんなことあったな。そんなことを思ったのもつかの間、見晴らしの良い場所へ出ると空一面が視界に映り込み、今日はやけに月が綺麗でそれにしか目がいかなかった。

「最近、どうなんだね。安室くんとは」

するとぽつりと、赤井さんが呟いた。
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