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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第6章 「元整備士」×「コルベットC7」



「そういえば過去の事件の調査は? 進展は?」
「大きな変化はないな、ただ一つだけ妙な情報がある」

落としていた目線を上げてバックミラー越しに降谷くんと目が合うと降谷くんは助手席に置いてあったタブレットを手に取った。

「アメリカ大使館で情報捜査している人達からだが、過去にレイス・ヴィリアントが起こした殺人事件の資料を調査したところ、資料はあるんだが実際に目撃した者や遺体、証拠品の記録がないんだ」
「事件を担当した責任者は?」

風見さんがそう問いかける。

「一年前、殉職してしまったらしい」
「望み薄ですね…」
「じゃあもし、人を殺してなかったら? 冤罪だったら?」
「こんなに連続殺人犯とアメリカで恐れられているのに、同じように証拠にない資料があって、逆にそれを誰も不審には思っていない。それが証拠なんじゃないか。国が違うから、極秘扱いで渡せず一部を消している場合もある」
「……その調査、1回私に回して下さい。どうせこの怪我で捜査から下ろされるんでしょう」
「集中治療室で生死をさ迷った絶対安静の部下を無理に働かせるような上司でも思ってるのか?」

その言葉に「降谷くんならしかねないでしょ」と、私は冗談まじりに鼻で笑うと「じゃあ明日もいつも通り頼む」と真顔で返されたので慌てて縋って発言を訂正した。

そして翌日、警視庁宛にマスコミや一般人からの問い合わせが殺到し場は荒れていた。その頃、公安委員会の小会議室では私と降谷くん、風見さん、そして数人のいつもの強面な公安の警察官達が集まっていた。
一台のパソコンの前、画面には動画投稿サイトに上げられたひとつの動画だった。

“『目前にして国際指名手配犯を逃し助けられる美人女刑事!』”

タイトルにはデカデカとそう書かれた約12分の動画。昨日の交差点の騒動の一部が投稿されており、再生回数はまだ24時間も経っていないにも関わらず200万回を超えていた。幸いにも遠くからの撮影で顔は写ってはいるが解像度が荒く把握は困難だ。
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