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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第6章 「元整備士」×「コルベットC7」



商店街を歩いて行けば真冬にも関わらず観光客や常連客で賑わっていた。おみくじ付近の広い砂利の辺りでは出店で豚汁を配っている。

しかし私はそんなことには目もくれず、先程通知が入ってきたタブレットを片手に、誤って人とぶつからない用警戒しながら風見さんの横をキープして歩く。

「何か進展が?」
「防犯カメラにアンダーらしき人がいたみたい。確認の動画が添付されてきた」
「アンダー…?」
「ああ、レックス・ヴィリアントの…偽名なのかな? 昔そう呼んでたの、彼のこと」
「随分仲が良かったんですね」
「まあ、物心ついた時から私の記憶にいたからね。それに昔よく家に遊びに来てた」

おみくじを引こうと長蛇の列が出来ている人ごみから少し離れ、当たりを見渡せる場所に一時的に避難して再びタブレットを操作する。

「遅いなぁ…」

ダウンロードの進まない動画ファイルに腹を立てる。
風見さんに「何か飲みますか?」と聞かれるも「大丈夫、ありがとう」と返せばスマートフォンよりひと回り大きいタブレットを胸ポケットに強引にしまいこもうとすればそっと風見さんがタブレットを取って何事もなかったかのように次の場所へ徘徊し始めた。

嗚呼、こういうところがきっと降谷くんに好かれたんだなぁ…、と関係ないことを思う。たまにドジって怒られてるけど、時々冷静さを感じさせ、誰とでも正面突破で向き合う言動や行動、それこそ取り調べ室での出来事もそうだ。

降谷くんが風見さんを部下に選ぶ理由も、なんとなく分かった気がした。そんなことを思いながら私は風見さんの背中を追った。

それから二人で浅草の雷門付近を徘徊して折り返し地点ち着くところだった。

「?」

何かに気づいた私は咄嗟に風見さんの腕を掴む。
私が何かを察知したことに気づいた風見さんはただ言葉を発することなく私を直視し、人ごみの会話に私は耳を傾ける。

何か聞こえる−−。

複数の会話に逆らうようにそのテノールが浮き上がってくる。

「〜〜〜」

テノール音が響く鼻歌。このリズム、知ってる。

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