【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
アンダーは必ず何かしらの逃亡以外の目的があって日本にやってきたことに間違いは無い。
全て推測だから、絶対とは言えないけど東京都内から出ることは無いと思う。それに彼は、わざと私や自分に注目を集めてる。これだけは確か。
まずは人気の少ないところよりも多い所、そしてアクセスがいい駅周辺、海外的に観光が有名な場所は重点的に、盗難の車、レンタルも片っ端から調べてーー。
会議室で放たれたその言葉から数時間後、過去の事件を調査する者、アメリカ大使館で情報を集める者、都内を徘徊して見回りにあたる者。それぞれの役目が降谷くんから言い渡されて分散された。
「浅草なんて久々に来ました」
私の後ろを歩く風見さんがそう呟く。
雷門前の十字路の交差点で風見さんと信号待ちをしながら2人であたりを警戒する。
「一回商店街にも入ってみようか」
「観光客も多いですし、いても違和感無さそうですしね」
するとジャケットのポケットに入れていたスマートフォンに着信音が入る。外の気温でひんやりと冷たくなった端末を手に取ると画面には「江戸川コナン」と表示が映し出されている。
『あ、お姉さん?』
「コナンくん!」
『僕学校だったから、今ニュース見たんだけど…大丈夫?』
どうやら、ニュースを見てまっさきに私に電話をかけてくれたようだった。
「うん、ありがとう。私は大丈夫だよ、今捜索中で…それよりごめんね、みんなにはショッキングすぎたよね」
『そんなことないよ!』
するとコナンくんの電話の向こうから歩美ちゃんの声が聞こえる。どうやらみんな一緒にいるみたいだ。
『おじさんはそんなことしないもん! 優しい人だもん!』
『そうだよな! 料理うめぇやつに悪い人なんていないよな!』
『絶対に、アンダーソンさんの弱みを握って操っている人がいるに違いありません‼︎』
「弱み…」
光彦くんの言葉に私はふむ、と頭を悩ませる。
そんなものあったっけ。
そんなことを考えながら交差点の信号が青になりそれと同時に歩き始める。
『お姉さん、もし僕たちにできることがあったらなんでも言って! 僕達協力するよ!』
「…ふふ、頼もしい…さすがは少年探偵団。あ、ごめん今から商店街に入るから切るね。ありがとう。また進展があれば教えるね」
私はそう言って電話を切った。