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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第6章 「元整備士」×「コルベットC7」



やっとの思いで腕を離してもらった頃、降谷くんのスマホとローテーブルの脇に置いてあった仕事の情報連絡用タブレットから一斉に通知音が鳴った。
その瞬間降谷くんが素早くスマホを手に取ると、その降谷くんの表情がら私は察すると一緒にそのスマホを覗き込む。
降谷くんの反応を見るに間違いない。あの国際指名手配犯の情報が解禁されたんだ。

降谷くん宛のメールには圧縮されたファイルがひとつ。
それをタップしてダウンロードを開始する。長いようで短い時間、ただファイルを読み込む画面ですら目を離さなかった。

するとクリスマス関連で賑わっていた報道の画面が突然切り替わる。その瞬間私はテレビに視線を移す。速報の音と同時に上には白く字幕が上がっていた。

『中継の途中ですが先ほど情報がありました国際指名手配であるアメリカ国籍のレイス・ヴァリアント容疑者を今日、日本へ逃亡したとして警察が公開手配しました』

速報を読み上げるアナウンサーの横に顔写真が大きく映る。
金髪で、襟足まである長髪、フォレストグリーンの瞳、そして片目には少し前髪がかかっており、顎髭が少し生えてかけている。どこかの英国風の紳士ぶりには見合わない、どこか虚ろな目をしている写真に私は確かに見覚えがあった。

時が止まった気さえもした。無意識に行っていた呼吸が浅くなり、喉が震えている。身体が確実に何かを確信していた。

いいや、名前が違う。全然違うじゃないか。
落ち着かせるためにそう自身に言い聞かせた。

じゃあ今までも、昔も、今も、すべて嘘だったって言うこと?

〝『子供は大好きだよ! 今までの嫌な記憶も全部忘れられる唯一の瞬間だ!』〟

先日、帰り際のアンダーに『子供は好き?』と唐突に問いかけた時、アンダーはそう言っていた。

ありえない。絶対にありえない。

「ごめん、降谷くん。私先に警視庁行ってくる…! 家の鍵は玄関前‼ 会議は出れない! ごめん‼」
「ッ…‼ おい宮下!」

椅子に掛けてあったブルゾンとパンツを手に取って、近くにあった貰い物の焼き菓子の缶を手に取る。次に廊下で下のパジャマを脱ぎ七分丈のパンツへ履き替え裾を二回折り黒のチェックのワイシャツの上からブルゾンを羽織り上までチャックを止める。

降谷くんの呼び止める声に耳も貸さず、バイクのキーとフルフェイスのヘルメットを持ってブーツを履くと私は玄関を飛び出した。
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