• テキストサイズ

【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第6章 「元整備士」×「コルベットC7」



事件の翌日、朝地下の書斎を綺麗にしていた所バタバタしていたせいもあってかコナンくんと哀ちゃんが読みかけていた数冊の本をせっかくなので阿笠さんの自宅へ向かい渡した後、事件があった近くの飲食店や通りかかったタクシーに手あたり次第声をかけては、本来の公安の仕事である情報や確認が入ればその現場へ向かう往復の繰り返し。

その次の日は容体が回復した被害者の入院している病院へ差し入れを持って向かい、謝罪と小切手500万円を手渡して、その後風見さんとアメリカ大使館へ情報の進展を聞きに向かい明日か明後日にサイバー攻撃の影響でダウンしていたサイバーが戻るという知らせを貰い帰った。

その帰り道、近くの飲食店で男があばれていると騒ぎを聞きつけ応援に向かい一件落着すると、再び警視庁へと戻り、再び事件当初の資料を空きの会議室で広げては似たような事件のファイルを読み漁っていればすでに翌朝の4時になっていた。

寝ていないわけではない。家に帰ってから少し仮眠を取ったおかげで目はハッキリとしているはず。
多少の顔色は化粧で隠せばなんてことないし、大抵の男は気が付かない。

「女が突然化粧をしだすのは、隠したい何かがあるか、相手に好意があるかのどちらかだ」

赤井さんの随分分かりきった発言に私は苦笑いを浮かべるがごまかすかのようにホースを手に取って車全体に水をかけるように腕を上げる。
ビタビタと跳ねた水と泡が革のブーツにかかるのを見ていた。

「私は彼みたいに強い人じゃないんです。毎日仕事へ行って、仕事に専念して、時には睡眠時間を割いてまで仕事をする。一見ブラックがもしれないですけど、それが毎日あるおかげで、何事もなかったかのような日常が私の過去の残骸を消してくれるんです」

そう言い終わったのを最後に、シンクから洗い終わたスポンジを持っていた赤井さんにホースを向けた。
同時にびちゃっ、と水の落ちる音が車庫に響いた。

「なので、止めないで下さい。これが私のやり方なので」

赤井さんは目を見開きながらはぁ、とため息をつきながら濡れて落ち顔にかかった髪をかき上げる。
ため息をついている割にはやけに笑みを浮かべていた気がした。
/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp