【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
12月上旬、お昼を少し過ぎた頃、自宅の車庫のガレージ、精密器具のない裏側の洗車ように改造された倉庫には一台の赤いマスタングが止まっている。
夏場はどんな小さな作業をする時でも全開に開けるシャッターでもさすがの冬になると必要な時以外に開けるといったことは無い。
外の温度計は9度を差し、以前にも増して白い息が際立った。
居座るには寒い車庫を暖めるのは換気扇近くに置かれた小さな薪ストーブだ。
換気扇の近くでは以前お世話になったFBIである赤井さんタバコを吸っている。
あの歌舞伎町の調査から、証人保護プログラムの件もあってかやたらとFBIの人達が気にかけてくれるようになった。
特に赤井さんは、銃で打たれた時応急処置をしてくれ、もし彼が私の過去の傷と過剰な出血の異常に気づかなければ危なかったと、ジョディさんが言っていた。
それにはさすがの私も恩が出来る。容体が回復した後、何かお礼をとせがんだところ、お互いそういう仕事だ、気にするなと、言い返す言葉もない綺麗な返しをされてしまい悩んでいた所、あの時沖矢さんの姿で会った時の出来事を思い出した。
――――車、お好きでしたよね?
その言葉から始まり、今に至る。
車好きには最近主流になってきている手洗い洗車、日本ではまだ一般的には流通していなくなんなら知らない人も多い。変わって海外ではガソリンスタンドにもメニューとしてあるくらいだ。
「海外では意外と手洗い洗車は普通らしいですが、赤井さんも向こうではやったりするんですかね?」
ある程度、車庫が温まって来たところで来ていたダウンジャケットを脱ぎ、私服のタンクトップにチェックのワイシャツの袖とズボンの裾を捲った。