【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
警察官は、職に就く前にありとあらゆる情報を国に管理される。もちろん指紋もだ。だから犯罪を犯せば国民より先に私達が事件に関連がないかを洗い出される。しかしこの事前検査の時点で警視庁に就いている私は引っ掛かっている。だからおそらくこの人達が、私が少なくとも署の人間であることは把握しているであろう。そしてその上でこの場にいる全員、降谷くんの言う通り疑いをかけている。
「はじめまして、警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係所属の白鳥任三郎と言います」
机を挟んで目の前にいる刑事がそう名乗る。
「警察庁警備局警備企画課の宮下です。立場を弁えていない質問で申し訳ないのですが立て込んでる仕事の予定をすっぽかして来ているので一度上の者に電話しても? せめて私の代わりの配役だけでも」
「…………いいでしょう、高木君。企画課に内線を」
「わかりました」
ひとまず私はパイプ椅子に腰を下ろし、高木さんが取り調べ室を出ようとドアノブを握って開く音がした。白鳥さんは時計を確認したのを合図に取り調べが始まろうとしていた頃だった。
「落ち着いて…! 待ちなさい…ッ‼」
「そっちは関係者以外立ち入り禁止です…ッ‼」
「うるせぇ…! いいから話せ!」
「高木君! 捕まえて!」
廊下が随分と騒がしい。男が怒鳴り声を上げている様子だった。何か別の事件で同じく取り調べを受けている人が暴れまわっているのかと思えば、途端男は出入口いた高木さんを勢いよく突き飛ばす。
「てめぇか! 俺の彼女をやったのは!」
青筋を立てながら血走った目でそう言った。それも確実に私の目を捉えながら。
加害者と被疑者を対面させるのは禁忌だ。
同じタイミングで取り調べ室と向こう側に被疑者と加害者を入れるなんて一体誰から言われた。刑事部は一体どう言う教育を受けてるんだ。事情聴取でさえ、お互い相手が見えない形で行うって言うのに。
「やってるやってないは置いといて、今は冷静になるべきです」
「テメェが知った口聞くんじゃねぇ!」
「近藤さん落ち着いて下さい!」
「うるせぇ!」
再び止めに入る高木さんと記録係だった警察官までもを突き飛ばすのを見て白鳥さんが止めに入る。私はすぐに彼が経験者だと言うこと察して立ち上がると身を引いた。
今、私は両手が使えない。それに相手は今興奮状態、誤解が生まれてる今近づいては危ない。