【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
「いいから! 早く来るんだ‼Baby達が……ッ‼」
アンダーが声を荒げる。
そのただならぬ様子に私とコナンくん達は顔を合わせた。
自分でも血の気が引くのが分かり、最悪の事態が頭を過った。
慌てて書斎を飛び出して階段を駆け上がると庭にいる元太くん達の元へと急ぐ。
「みんな……ッ⁉」
靴も履かずに玄関のドアを開ければ、さっきまで薄暗い地下にいたせいであまりのまぶしさに手をかざした。しばらくしてゆっくりと目を開ける。
そこには元太くん達が先ほど最後に確認した時と同様、3人で仲良く遊んでいる。その様子に私は拍子抜けた。
ひとつ、目に見える変わったことがあるとすれば…。
そばにいたコナンくんが私より一歩前に出ると、スッと手を伸ばした。
「………雪だ」
しんしんと大粒の雪が降って辺り一面を白の絨毯と化している。あんな短時間でここまで足跡が残るほど積もっている。
「今日雪降るなんて言ってたか?」
「比較的、ここは山の近くだから雪が降りやすくて積もりやすいのかもね」
哀ちゃんが腕を組みながらそう答える。
「それより見てくれ! Baby達が!!私の為に作ってくれたんだ…!」
玄関前に置かれた小さな雪兎を指さしてアンバーが嬉しそうにそう言った。
少しだけ溶けかけており、おそらく慌ただしくしていたのはそのせいだろう。
そうだよ。子供が好きな人に、悪い人なんていない。
呆れた表情を浮かべるコナンくんと哀ちゃんの横で私はアンダーの背中をグーで殴った。