【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
「食べ終わった人から外で遊んできていいよ、片づけは私達がやるから…風邪ひかないようにね! あと、あんまり遠くに行かないように‼」
それを聞いた歩美ちゃんと光彦くんと元太くんが走ってリビングを飛び出していくのでその背を玄関まで送っては念を押した。 リビングの窓は縦に広く、ふとした時でもすぐに確認ができる為何か異変があればすぐに駆け付けられる。念のため目の届く場所に居るか窓から庭を覗いて大丈夫なことを確認していると哀ちゃんが皆の飲み終わったティーカップをまとめ始めていた。
「いいよ哀ちゃん! 私がやるから遊んできて?」
「私、運動とかあんまり好きじゃないのよね」
「へぇ…そうなんだ……じゃあお願いしようかな」
そう言えば哀ちゃんはフッと笑うと片づけを続行する。
両手にティーカップを持ってキッチンへ向かおうと歩き始めると、急にピタッと歩みを止めた。その一部始終を見ていた私は頭に?を浮かべながら哀ちゃんの背中を見つめているとゆっくりと哀ちゃんがこちらへ振り返る。
「あ…やっぱり、運ぶのだけお願いしていい?」
「…? いいよ? じゃあトレーに全部乗せてくれる?」
テーブルから身を乗り出して手際よくカチャカチャと哀ちゃんがティーカップを乗せる。
一杯になったトレーを持って、キッチンで早速仕込みをしているアンダーの邪魔にならないようにひとまず後ろの開いている棚へと置いておく。
「私が洗っておくよ。のこりもすべてここに置いておいてくれて構わないから君は終わったら休んでくれ」
「…ありがとうアンダー」
テキパキと机のモノをすべて片づけ終わると今度は哀ちゃんと一緒にテーブルを水拭きする。
「哀ちゃん運動嫌いって言ってたけど、いつも家で何してるの?」
「……ぼーっとしてるわ。それか本読んだり」
「……本が好きなの?」
「…まあそれなりに」
「私の家、地下に書斎があるんだけど。………興味とかある?」
そう聞けばピタリと哀ちゃん手がまた止まった。
「まあ、暇つぶしにはなりそうね」
「書斎? 何それ!僕も行きたい!」
視線を向けないままそう呟く哀ちゃん。すると背後から今度は話を聞いていたコナンくんがやって来る。どうやら連絡が終わったみたいだ。