【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
「本当にすまなかったよBaby達! 今度何かお詫びを…」
数十分後、ケーキもクッキーに焼き菓子も平らげた頃アンダーが皆におかわりの檸檬ティーを入れながら言う。
光彦くんが「全然大丈夫です! むしろ貴重な経験でした!」とおかわりしたレモンティーを口にする表情を見てほっと肩を撫でおろす。
アンダーの気持ちも十分わかるが、もう五年も前のことだ。私に視線を向けるたびに申し訳ないという気持ちが表れすぎて逆にこっちが気を使ってしまう。こうなってしまえばアンダーは解決するまで根に持つぞ。
私はふつふつと考えた。そう言えば、家に遊びに来た時はよく料理を振舞ってくれていた。そう言えば最近忙しくて全然自炊してないから冷凍した食材もたまりに溜まっている…。
そうだ、彼は料理人だ。
私は手の平に拳をポンッ、と叩いた。
「良かったら今夜、皆うちで食べない? アンダーはこう見えて料理は得意分野なの!」
「おっさん料理得意なのか?」
「こう見えてミシュラン料理長なの。 この機会逃すとなかなかないよ~?」
私はアンダーの方をポンポンと叩きながら言う。現在は料理長はやめ、「そうだね! 今はフリーの料理人として各国を飛び回っているよ!」とアンダーは言う。
「じゃあうな重も⁉」
「それはジャパニーズフードだから専門外なんだ………ちなみに、君達お肉は好きかい? 私はローストビーフのことならなんでも知っているスペシャリストなんだ。良ければそれをお詫びとしてご馳走しよう」
「肉⁉ ローストビーフ⁉」
「ぜひ食べてみたいです!」
「本当かい? それは良かった! 久しぶりにシュウゾウの家で料理を作るんだ。とびきり美味しい料理をご馳走しよう!」
「皆今晩予定とか大丈夫? 一応親に電話入れようか?」
「あ、それなら僕が連絡しておくよ! それに今日、皆で博士の家で泊まる予定だったから全然!」
「そっか、それはなんか悪いことしちゃったね………もしよければだけど、阿笠さんも来るか聞いてみてよ」
「わかった! 伝えとくね!」
そう言って、スマートフォンをコナンくんに差し出せばそれを持ってハイチェアを降りると壁の端で電話をかけ始める。