【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
「もしかして……あ、アンダーソン…? アンダーなの?」
「久しぶりだねBaby! 元気にしていたかい?」
流暢な日本語でそう言いながらハグを求められ私も思わずハグをした。
「びっくりしたよ!こんなに素敵な女性のになって、なのに私はスッカリ老けてしまって…」
「そんなことないよ、ダンディになって昔よりカッコよくなってるよ!」
「そうかい? そう言われると自身が持てるな」
そんなたわいもない話をしていれば後ろから芝生を踏む音が聞こえる。
「お姉さんの知り合い?」
「ダンディなおじ様ですね…」
歩美ちゃんが顔を覗き込んでくる。
来るまで待っていた皆だったがおそらく私達がハグをしたことによって危険な人ではないと判断し降りて来たのだ。
「うん、昔小さい頃…お父さんの友人だよ」
「これはまた可愛いBaby達がいっぱい! 初めまして。私はレックス・アンダーソン」
アンダーはその場に跪くと哀ちゃんと歩美ちゃんの手を取りながらそう言った。
それに頬を染める歩美ちゃんとは逆に、哀ちゃんは小さくフッ、と笑う。
「あら、そう言う時は〝お嬢さん〟じゃなくって?」
「それは失敬、レディの扱いがなっていなかったね」
二人の手の甲を額に付けると今度は元太くんと光彦くん、コナンくんにもハグを交わす。
海外の挨拶文化に戸惑う二人と違って笑顔で挨拶を交わすコナンくん、そして頬に手を当てて未だ顔を赤らめる歩美ちゃんをみて二人が「おぉ」と、関心の声を上げた。
「こ、これが大人の振舞…!」
「大人の余裕ってやつか…っ!」
「ははは……」
そう言えば親戚の工藤優さんも海外に住んでいるみたいだからそのせいで海外文化には意外と慣れているのかも、と思いながら小学校一年生のわりには出来た子なんだと少しだけ、彼の息子であるあの高校生探偵の工藤新一くんを照らし合わせながら感心する。
「そういえば、シュウゾウが好きだと言っていたコルベットの車! あのイエローのスタイリッシュなコルベットC7は私が彼にプレゼントしたんだ!」
「そうなんですか! ずっと古いタイプが好きで使ってたのに急に新しい、しかもあんまり選ばなさそうな色をいつの間にか持っていたから。親友から貰ったとは聞いてたけどまさかアンダーが」
「ところで、シュウゾウは?」
その質問に私はあっ、と言葉を詰まらせ、その様子にアンダーは首を傾げた。