【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
「別に、いいんじゃない?」
「じゃあ決まりだ!」
「行きましょう!!」
「まだ動いてないから寒いでしょ」
ドアのロックを解除し皆を手招きすれば乗り込んでくる。元太くんは助手席、他の四人は後部座席という形になったが身体が小さいせいか問題なく乗ることが出来た。
「高速道路乗るから皆気をつけてね」と声をかければ「はぁ〜い!」と元気な声が帰ってくるとハンドルを左に切って路上へ乗り上げた。
「そういえばお姉さんかっこいい車乗ってるんだね!」
「お父さんのなの。アメリカの親友がくれたって言ってたかな」
「へ〜、そうなんだ!!」
「車を友達にあげるなんてどんだけ金持ちなんだそいつ」
「何円くらいなんでしょう……」
「値段なんて調べたことないな〜」
「そういえばお姉さん、敷地の庭って言ってましたよね。ということはお姉さんのお宅大豪邸だったり……」
「お城だったり……!?」
「お城と言うよりかは、館っぽいかな〜」
話題が終わると思えば次の話題へコロコロと変わってはその度に話が盛り上がった。
子供達の会話をBGMにして車を走らせること約50分、私道の道路に入ると都心にはない木々に皆が釘付けになっているところ、家の前に金髪をオールバックに長身でスーツを着こなした者ものがひとり。
近くに車は止まっていない。タクシーできたのだろうか。
実際お客さんかもしれないが今回の件もあってか判断は慎重にするべきだと思いいつもよりも離れに車を止め、「先に確認して来るから、皆は私がいいって言うまで車から出ちゃダメだよ」と念を押して運転席から降りるとカギをかけた。
遠くに停めたせいでまだ相手は私達に気づいていない。白い息を吐きながらゆっくりと歩み寄るとそれに気づいた相手が振り返った。
遠目から見ても分かる、長身で肩幅のある体格は海外のオーダーメイドの革靴とスーツがよく映えていた。
オールバックにまとめられた襟足まである金髪の長髪と青い瞳………
相手が少し顔を顰めて目を細めては私をじっと見つめるとハッとしたかのように両手を広げた。
「Who! baby‼」
「………Baby? I'm n………え?」
遠い昔、聞いたことのあるセリフに思わず言葉が途切れた。