【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第6章 「元整備士」×「コルベットC7」
そして数時間後警視庁の今朝とはまた他の会議室、ホワイトボードに情報をまとめ書き込んでいく風見さんと報告書に目を通しながらタブレットの情報を操作する降谷くん。
差し入れのおにぎりと缶コーヒーが入ったコンビニの袋を空いている椅子の上に置くと、タブレットから書類のデータを印刷しジャケットの胸ポケットからボールペンを取り出すと会議室の壁を下敷きに報告書を書き始める。
「え〜っと、こことここは情報なし、目撃情報なし…」
「壁で書くな宮下」
「ハイ、すいません」
集まった情報を元に、数枚の書類を書き終えると他の人とすれ違うような形で会議室を後にした。張り込みや聞き込みを終えた丁度3時頃、一度自宅での待機となった私は警視庁から離れることになった。
再び車に乗り込んで地下駐車場を出る。路上に出る前に一時停止をして通行人を先に通せば、どこか見覚えのある面影が残っていた。
目の前を通るのは真冬であるにも関わらずサッカーボールを持って歩く子供達。
「コナンくん達! どうしたのこんな所で!」
目の前を歩いていくのはコナンくんと歩美ちゃんと元太くんと光彦くんと哀ちゃん。
ドアガラスを下げそう声をかけると私の声に気付いて視線を迷わせると、車の方に視線を向けた。
「あ! 沖矢さんの所にいたお姉さんだ!」
「なんか今おっかねぇ奴がウロウロしてんだろ?」
「警視庁の近くだったら安全かと思いまして!」
「なかなかいいアイデアだね! でも、サッカー出来るとこあるかな?」
「それが、近くの公園今工事してたらしくてだからやっぱり帰ろうと思って……」
コナンくんがそう言うと、私はふむと頭を悩ませた。
サッカーができるほど広くて、警視庁の近くで安全なところ……
「じゃあ…………皆ウチくる?」
「え? お姉さんのお家?」
「うん、うちの敷地結構広いし。それに、私警視庁の人間だし。八王子の方向だからちょっと遠いけどみんなが良ければそうするよ」
「条件全てクリアじゃないですか!」
「おい、そうしようぜコナン!」
「どうする? 灰原」
最終的な決断を委ねられたのは、小学生の割には少し大人びた哀ちゃんだった。