【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第5章 「元整備士」×「ポルシェ356A」
「赤井さんと沖矢さんは同一人物なんだ。元々この家は新一お兄ちゃんとそのおばさんとおじさんが住んでいたんだけど、今は海外にいるんだ。それで、数年前から訳あって赤井さんが沖矢昴として身を隠してここに住んでるんだよ!」
「え…? だって声……………えぇ? いや、確かに特徴は似てるけども……」
「だから、FBIと坊や以外には内密で頼むよ。もちろん君の上司達にもだ。出ないと、君にはそれなりの責任を取ってもらわないといけなくなるのでな」
「それはもちろん。こちらも他国の面倒ごとには絡まれたくないので」
訳あって身元を隠しているのは降谷くんも一緒だからともかく、変装ってそんな簡単に高クオリティにできるものなのか。そんなぽんぽんと出来てしまっていいものなのか。
それに、私の上司達にも内緒というのは降谷くんにも内密ということになる。
降谷くんはなぜか、沖矢さんを酷く軽蔑しているような態度が多々見えた。
もしかして、沖矢さんが何者かに変装していると察して怪しく思ってのことだったかもしれない。にしても、あんな完璧な変装をどうやって降谷くんは見分けたんだろう。
「今後の為に聞きますけど、変装かどうか見破る方法ってあるんですかね?」
「……違和感、勘。もしくは行動や癖、あとは君が言っていた同じような体格と言ったところだな」
「勘に違和感ですか……」
正直言ってそもそもそこまで高度な変装をする人達はそうそういない。いるとしても、相当特殊で高度な変装をしていたのは出会った中でも殺人鬼の仲間であるベルモットとかいう女も、なぜか日本にいるFBIである赤井さんしかいない。
今後そう頻繁に現れるかと言われたら、関わらない限りおそらくほぼないに等しい。それにここはこの星で一番平和で治安の良い日本だ。
「まぁ、経験と言うことにしておきます」
そう言いながら足を伸ばすと、コナンくんが「僕、ジュース持ってくるけどお姉さんも何飲む?」と聞かれたので「コーヒー以外なら何でも。…ありがとね」と言えばえへへっ、と照れくさく笑うとリビングを後にした。