【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第5章 「元整備士」×「ポルシェ356A」
「あの……実は赤井さんにずっと気になってたことがあるんですが……」
「なんだ?」
「沖矢昴さんと知り合いで?」
その言葉と同時にコナンくんが噎せ返る。
図星か…?
「……どうしてそう思うんだ?」
しかし赤井さんに動揺した様子はなかった。
「いや…ぶっちゃけなんとなくです。ただ妙に似ていたり持っているものが同じだったりしてるので親戚が友人なのかなと……それに本当に知らない人なら最初に誰のことだか聞くはずですけど、聞かずに否定もしないってことはおそらくご存じですよね? 身長とか、体格とか、瞳の色とか………あとシガーライター…車を覗いた時彼の車にもあったんです、全く同じシガーライターと缶コーヒー。偶然過ぎませんか? それに吸ってる銘柄も同じようでしたし。 ………なんなら沖矢昴さんとは親戚や顔見知りとかではなく………………」
コナンくんが明らかにソワソワとしだしている。
反応からして、コナンくんは明らかに知っている。確信があった。
「実は沖矢さんと赤井さんは生き別れの双子で、実はコナンくん以外にはなかなか言い出せず秘密にしてたりとか―――」
その言葉に二人が顔を思わせたかと思えば同時に吹き出し笑い始める。
「君は本当に、弱いらしいな」
「赤井さん…!」
「大丈夫だ坊や。彼女にはいずれ言うつもりでいたんだ。ここに連れて来たことが何よりも証拠だ。それに、正体を言う前にバレてしまうとは、俺も少し詰めが甘すぎたな」
そう言って赤井さんがポケットから取り出したのは警察手帳。それもFBIのではなく日本の警察手帳だ。
渡されるがまま手に取って開いてみれば、それはあの時失くしては降谷くんにさんざん怒鳴り散らかされた警察手帳だった。
「君が高速道路で車を点検してくれた時だよ、おそらくポケットからモノを取り出した時に一緒に落ちて気づかなかったんだろう」
「じゃあやっぱり!」
成り上がりの日本の警察官でも冷静に考えればここまでできるんだと、私はまるで難事件を名推理で解決したかのようにパンッ、と手を叩いた。
「ああ、すべては君の完璧な推理通り。沖矢昴架空の人間、俺と同一人物なんだ」
コナンくんが腹を押さえながらプルプルと震えている。
同一人物? 変装? 沖矢昴は、実在しない人物……?
「………………………はい?」
やっぱり、日本の未来が心配です。降谷くん。
