【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第5章 「元整備士」×「ポルシェ356A」

「よ、よく言われるんだぁ……」
「だよね? だって眼鏡取ったらそっくりだもんね?」
まるで迫るように問い詰める私も悪かったが、なぜか苦笑いをしながらコナンくんがだんだん小さくと縮んでゆくのが少し面白くて笑ってしまう。
「二人で仲良く話すのはいいが。ひとまず、家に入ってからゆっくりと離しでもしようか」
「そうだよ、お姉さん悪い人達に狙われてるんでしょ?」
「そう…ですね。二人に害があってはこちらも困りますので」
「二人は先に入って待っていてくれ、俺は車を止めてくる」
「はーい! 行こ、お姉さん」
コナンくんに手を引かれるがまま家の敷地内へ入り工藤宅へ上がるとリビングへと案内される。
「無理しないでね、欲しいものがあったら言ってね」、と言いながらどこからかひざ掛けを持って来たり、「お姉さん寒くない? 大丈夫?」と何度も確認しながらストーブの火を調整してくれている。
さすがは従弟というべきか、この家のことをなんでも知り尽くしている。
ずっと座り過ぎたせいか若干傷口のある腹部が痛み擦っていると、できることを一通り終えたコナン君がオットマンに飛び跳ねるように座った。
「お姉さん、痛い? 横になる?」
「ん? …ちょっとね。でも大丈夫、痛いと言っても腹痛くらいの痛さだし、ちょっと疲れちゃっただけだから。久々にこんなに動いたからね、明日は全身筋肉痛とかになってそう」
笑いながらそう言うと玄関先でガチャリとドアの開く音がする。
「あ、赤井さんだ!」
そう明るい声で言うと自分よりひと回り大きなスリッパをパタパタと鳴らしながらリビングを出ていくとしばらくして赤井さんと仲良さげに一緒に帰ってくる。
そういえばコナンくんは赤井さんともともと知り合いだったのかな。それも異国のFBIと知り合いの小学生なんて一体どういう成り行きでそんなことが可能になるわけ?
段々、なぜか小学生相手に疑問と違和感を抱くようになる。私達がの生きていた小さい頃がおぼそかだっただけかもしれない。
今やこの世に天才なんて言われる子供達はいくらでもいる。人と少し違うからと言って変に思うのは、やはり人として間違っている。人生は常に多様性に特化しなければ、特に警察官であるならなおさらだ。
そして私は、ずっと聞くタイミングを失っていたとある質問をちょうどソファーに上着をかけた赤井さんに問いかけた。
