第8章 はじめまして
___1年ほど前
私は、とある捜査のためにNYでFBIとの合同任務に着いていた。
雨が降り、日も暮れて少し肌寒くなった頃、
その時行動を共にしていたFBI捜査官、赤井秀一が姿を消したので、支給された車で彼を探していた。
たく、また勝手に動いてくれちゃって…!
赤井さんが入っていったと思われる路地へ車を入れると、案の定佇んでいる彼を発見したので、ライトを照らしながら彼の背後へ車を止めた。
「Please don't go anywhere without permission!
And? Did you find him?」
(勝手にどっか行かないで下さいよ!
で?奴は見つけましたか?)
「No…I found only a tourist.
I guess he hasn't been to this street.
The gun fight against has excited the beast. He couldn't have gone without touching her. 」
(いや…いたのは観光客だけだ。どうやらこの通りには来ていないようだ。
我々と一戦交えて興奮したあの野獣が、こんな獲物を逃すわけないからな)
そう話す彼の目の前には、女の子が1人。
日本人か?
一体なぜ、こんな時間にこんなところで1人でいるのだろうか
「とにかくここは危険だ。あの角を右に曲がれば表通りに出る。そこでタクシーを拾うんだな」
彼女の手を引きながら、赤井さんがそう言った。
「え…ああ、でも連れが!連れをここで待ってるんです!
私と同じ、高一の男の子…」
「じゃあ君とその連れに、もう一度だけ言う。
消えろ!!このエリアから今すぐに…!!」
拒む彼女に、間髪入れず強く言い放ってその場を去ろうとする赤井さん。
その気迫に、彼女は少し後ずさりした。
「ちょ、ちょっと!あの子、放っておいていいんですか」
「問題はない。
この通りの出入口は、すでに固めてあるからな」
「で、でも…」
私の抗議など聞く耳も持たず、すたすたと歩いていく。
はあ、全くこの人は…
「何かあったら、大声で呼びなさい
いいわね?」
「は、はい」
それだけ言い残し、私は赤井さんの後を追った。
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