第8章 はじめまして
「そうよ、ボウヤよく知ってるわね。
私たちの仕事は、外国人が関わる犯罪の調査や、国際犯罪における外国との連携と情報交換なの。
今日はね、事件の被害者が渡航中の外国人男性だったから、被害者についての情報を刑事さんたちに教えるために現場に来たのよ」
「ふーん、そうなんだ!
教えてくれてありがとう!」
「いいえ!
ねぇ、もしかして君、江戸川コナンくん?」
「え?うん、そうだけど」
「やっぱり!
実はね、佐藤から頭の切れる小学生がいるって聞いてたから、会ってみたかったのよ!」
「いやいや!ボクはただ、おじさんの話を聞いてそれを話してるだけだから、凄いのは小五郎のおじさんだよ!」
私の言葉に、焦ったように両手を振って弁解するコナンくん。
視線や挙動、声のトーンでその人物が何を考えているかは大体予想が付く。
この子、何故今嘘を付いたのか。
佐藤が言う通り、ただの小学1年生ではないのかもしれないな。
面白い。
今は、彼の言う通りにしといてあげよう。
「そうなんだ!流石は毛利さんだ!」
そう笑顔で返した。
「ちょっと、コナンくーん!」
綺麗な長い髪の女の子がこちらに走ってくる。
「もう、刑事さんの邪魔しちゃダメだよ!」
「ごめんなさい蘭ねぇちゃん」
蘭ねぇちゃんと呼ばれたその子は、こちらに向き直って「すみません」と頭を下げた。
「いいえ、気にしないで下さい!
私もコナンくんとお話出来て嬉しかったですし、それに私、刑事じゃ無いので」
「あ、そうだったんですか!」
「まあ、警察官ではあるんですけどね!
あの、もしかして毛利さんの…?」
「あ、はい!娘の蘭と言います」
「蘭さん、可愛らしい名前ですね!
初めまして、です」
私はこの子と1度会ったことがある。それもNYで。
その事を蘭さんは覚えていないようだけど。