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【名探偵コナン】sangría

第5章 諍いと義憤




「降谷、」


教官の地面を這うような低い声が響いた。
そのあまりの気迫に、呼ばれていないはずの者も一気に背筋を伸ばす。


「お前たちの集中力と高い技術は褒めてやろう。
だがな!!拳銃は優劣の争いに使用するものでは無い!!!市民を守り、悪に鉄槌を下す為のものだ!!
実践だなんだとほざいていたが、訓練の場で言い争いをするような奴らは現場には要らん!!!
警察官としての責任と心構えを、もう一度しっかり叩き直せ!!!」

「「は、はい!!すみませんでした!!」」



______


「はぁ、はぁ、はぁ、」



グラウンド10周

これが、教官が課した“警察官としての責任と心構えをもう一度叩き直す”の具体的な内容であった。

警察学校のトラックが1周400mなので、10周だと約4km。
たかが4kmと思うかもしれないが、過酷な1日のラストにこのランニングは中々にキツいものである。


「ちゃんがんば〜」

「おせーぞー」

「はあと半分!ゼロはあと2周だよ!」


班長会でいない伊達を除く3人の声が遠くから聞こえてくる。
の息が乱れに乱れる中、颯爽とその横を走り去る降谷。

バケモンかよ…!!
そう思いながらも、声に出す余裕なんて微塵も無いはただひたすらに走り続けた。








「はぁ、はぁ、はぁ、やっと、終わったぁぁぁぁ」


そう言うと同時に地面に倒れ込む。


「ちゃんお疲れ様〜」

「はい、これ水」


諸伏が差し出すペットボトルを受け取り、滝のように流しながら飲む。
それをよりも先に走り終えた降谷が涼しい顔で見ていた。


「僕はとっくに終わってるがな」

「はぁ、はぁ、言い返す、気力も、無いわ、はぁ」

「バッテバテじゃねぇか」

「ちゃん体力無いもんねー」

「ほら、起きて!時間がギリギリだから早く部屋に戻らないと!」


そして、こんな様子のに労いのねの字もない彼ら。


「無理ー起こしてー」

「自業自得なんだから、自分で起きなさい!」

「うっ、ヒロの言葉が心に刺さる…」


むくっと起き上がる。
先程の状況に少しばかり怒っているのか、当たりが強めな諸伏であった



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