第39章 クッキング
「割った割り箸を皿に渡すように間を開けて置く。そしてその割り箸に食パンをのせるんだ。
後は、これを電子レンジに入れて20秒程チンするだけ」
そうしてチン!とお馴染みの機械音が鳴り響き、中から食パンが取り出される。
若干湯気が立つそれは、先程とは比べ物にならないほどふわふわ柔らかいものになっていた。
「わーすごい!」
「流石に蒸し器には劣るが、これでも十分美味しいパンになる」
こうして全ての材料が揃った。
後はその材料達をサンドしていくだけだ。
まず、蒸したパンに味噌マヨネーズソースを塗り、その上にオリーブオイルを塗ったハムをのせる。そしてシャキシャキになったレタスをのせ、もう1枚のパンで挟む。
最後に、パンの対角を結ぶ様に切れば……、
「完成!!」
見事に盛り付けられたそれは、ポアロで提供されるものと遜色ない鮮やかなものであった。
「やばい、ポアロのハムサンドまんまじゃん。超美味しそう」
「そりゃ、ポアロもこれも僕が作ってるからな」
流石安室さんです〜と茶化しながら、ハムサンドの乗った皿を持ってローテーブルに腰を下ろす。
「いただきまーす」
手を合わせてから、1切れ取って頬張る。
ん〜やっぱり美味しい!!
1切れ、また1切れと味わいながら手に取っていく。
「は昔から、本当に美味しそうにご飯を食べるな」
「だって美味しいんだもん。
ほらほら、ゼロも食べなって!これ超美味しいから!」
そう言って、両手に握っているサンドイッチを片方差し出す。
当たり前のように身を乗り出して口だけ開けて待っているので、仕方がなくその口にサンドイッチを詰め込んでやった。
「ね!美味しいでしょ?」
「あぁ、いつもより美味しい気がする」
その言葉を受けて、作った訳でもない私は自慢げに口角を上げる。