第5章 諍いと義憤
「降谷ちゃんはどうよ?」
「ずっとむくれたまま口を開こうともしないよ」
「こっちもだ。なんか話しかける度に睨んできやがる」
昼食後の短い休み時間、4人は集まって緊急会議を開いていた。
互いの情報交換をし、解決へと導こうという寸法だったのだが
「原因が分かれば対処のしようがあるんだがな」
「2人とも頑固だからなぁ…」
これといった方法が挙がることも無く、4人は揃って頭を抱えていた。
「萩原ならどうにか出来そうじゃない?ほら、女の子の扱い得意だし」
「いやさ、ちゃんはプレゼントとかでどうこうなるような子じゃないでしょ。俺の専門外」
「じゃあ松田はどうだ?あの2人としょっちゅう喧嘩してるじゃねぇか」
「あ〜陣平ちゃんはダメダメ!これがデフォだから、仲直りとかいう概念持ち合わせてないから」
「んだと!!」
「ほらね
諸伏ちゃんはどうよ?降谷ちゃんと長いんだし」
「ゼロまであんなにムキになるのは珍しくてさ、
しかも相手は女の子だし」
「2人にしか分からない何かがあるのかもしれないな」
「あの2人、何だかんだで似てるしね〜」
「まあ、時間が解決してくれんだろ
ほっとけよ」
「それもそうだね」
そうして話し合いの末、4人は時に任せて放置という選択肢を取った。
と言うより、考えてもしょうがないので諦めた。
「待って、今日の術科訓練って…」
「確か射撃だったぞ」
「どったの諸伏ちゃん?」
「いや、なんか、嫌な予感がするなって…」
諸伏の嫌な予感は、よく当たる