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【名探偵コナン】sangría

第5章 諍いと義憤


【no side】


「本っ当にありえない!!」

「それはこっちのセリフだ!!」




と降谷の突然の大声に、食堂中が一斉に視線を向けた



「諸伏ちゃん、これ、どーゆー状況?」

「分からない、俺が来た時にはもうこの状態」



遅れて食堂へ来た諸伏、伊達、萩原、松田。
訳も分からぬこの状況に、一同は困惑していた。

何せ、普段はあまりぶつかることのない2人がこれでもかと眼を付けあっているのだ。
一体何が原因なのか、その場にいる誰にも検討が付かない。



「おいおいお前ら、何があったってんだ」

「「こいつが!!訳のわかんない事言うから!!」」

「訳がわかんねぇのはこっちだっての」



何を問うても、興奮状態の2人から返ってくる言葉は支離滅裂。
我らが保護者伊達にも、菩薩諸伏にも、この状況を収集することは出来なかった


「もういい!!私別の場所で食べる!!」

「勝手にしろ」



そう言ってトレーごと立ち上がる



「ちょ、おい待てって」

「ちゃん1人だとあれだから俺ら着いてくわ!」



松田と萩原も、の後を追って離れた席で昼食を取る




残った伊達と諸伏、そして降谷のもとには重苦しい雰囲気が流れていた



「で、何があったの?ゼロ」

「そうだぞ、お前があんなに声を荒らげるなんて珍しい」

「……言いたくない」

「「はぁ?!!」」



そうして口を尖らせる降谷。
彼が意地っ張りであることを伊達、諸伏は知っている

一向に口を開こうとしない降谷に、頭を抱えることしか出来ない2人であった。


______



一方はと言うと、



「ちゃn「なに」
い、いや、はは」




こちらもこちらで手が付けられない状況であった。


話しかけるなオーラ満載の。
一言声をかければカエルを殺すほどの睨みが返ってくる。
何が原因か探ろうにも、まともに会話ができない以上聞きようがない。






同様に重苦しい雰囲気が流れる中、ただひたすらに昼食を取る彼らであった。

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