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【名探偵コナン】sangría

第38章 執行人とその後



十数分後、玄関でガチャガチャと聞こえてきたのでそそくさとお出迎えに行った。


「おかえり!」

「……あぁ。ただいま」


何故かワンテンポ反応が遅れたゼロに構うことなく、その手にあるコンビニ袋をもらう。


「やったー納豆!それにご飯もある!」

「レトルトだけどな。流石に今から炊いたら時間がかかると思って。
それより、体調は大丈夫なのか?」

「うんまぁね。出すもん出したらスッキリしたわ」



そうして、手際よく作られた味噌汁と納豆ご飯がテーブルに並べられた。


「わぁー!最っ高じゃないっすか」

「いや、ただの味噌汁と納豆ご飯だぞ?
納豆ご飯に関してはレトルトをチンして混ぜただけだし」

「私にとっては数週間ぶりのまともな朝ご飯なの!!
誰かさんが散々やってくれたおかげで後処理に追われて、ずーっとinゼリーかバー食品だったんだから」


文句を垂れながらも、両手を合わせて丁寧にいただきますをする。
「うまぁ〜」と感嘆を零しながら、1度握った箸は止まることなく飯を口へと運んでいく。

そんな私を、頬杖を着きながら眺めるゼロ。


「……なに?」


あまりに見つめられるもんだから気になってしょうがない。
え、私の顔に何かついてる…?



「いや?
食べてるところも可愛いなって」



ゴフッ!!

口に入っていた味噌汁を既で撒き散らすところだった。
ゴホゴホと噎せながら、涙目でゼロを見やる。


「…え、なに急に。そんなこと言うタイプでしたっけ?」

「そんなことも何も、思った事を言っただけだ」


ニマニマとしたり顔のゼロ。


「だ、大丈夫?何か変な物でも食べた?」



萩やヒロ、それに沖矢さんならともかく、ゼロが突然そんなことを言うなんておかしい。
心配してそう声をかけると、途端にゼロはしたり顔から何故か不満げな顔に変わる。


「……チッ」

「えっ!?舌打ち!?」


小さく不平を零し、不機嫌そうにそっぽを向くゼロ。
私何かしました?いや、別に変なことは言っていない。変なことを言ったのはゼロの方だ。

意味のわからない状況に首を傾げながらも、着々とお茶碗とお椀の中身を空にしていった。
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