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【名探偵コナン】sangría

第38章 執行人とその後



「ッカーーー!!最っ高!!」


この苦味が、休みなく働いた疲労塗れの体に染み渡るったらありゃしない。
既に残り少なくなった缶をもう一度傾けて、余すことなく全て喉へと流した。


「おっさん臭いな」

「もうこの際おっさんでもおじいさんでもなんでもいいわ」


そうして空になった缶を置いて、ゼロが作ってくれたつまみを口に運ぶ。


「んっ!!これ美味し!!」

「当たり前だろ。僕が作ったんだから」

「へーへー流石でございやす」


箸を伸ばす手が止まらない私を横目に、ゼロが立ち上がってキッチンへと向かった。
冷蔵庫を開けたかと思えば、戻ってくるなり缶ビールをもう1個私に差し出す。


「え!飲んでいいの!!」

「程々にしとけって言いたいところだが、今日はの家だし、それに僕がいるからな。
好きなだけどうぞ」

「やったぁ!!」


差し出された缶を受け取って、早速プシュッと音を鳴らした。






















「好きなだけどうぞとは言ったが、さすがに限度ってもんがあるだろ」

「このりょうかってきたあんたがわるい」

「僕の分も想定した量だからだよ。ほとんど1人で飲むやつがあるか」



いやいや、まだ5本目ですよ?
まぁ、いつも由美に付き合ってるから感覚が狂ってるってのもあるかもしれないけど。


「特段強いって訳でもないんだから。
はいもう終わり。ほら、水飲め」

「あぁ〜わたしのなのにーー」


缶を奪われ水を差し出されるが、ブンブン頭を振って拒否した。

……あ、やば、頭振ったら気持ち悪くなってきた。



「あ、おい!」


横になりたくなって、丁度いい所にあった枕基ゼロの膝に頭を預ける。


「かたい…」

「自分からやっといて文句言うな。
というか、こういうのは普通逆じゃないのか」

「こまかいことはきにすんなってー」



キャッキャ言いながら硬いゼロの膝を堪能する。
そんな私を呆れたように見ながら、ゼロは残り少なくなった1本目の缶ビールを呷った。

その様子を、下から眺める。
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