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【名探偵コナン】sangría

第37章 ゼロの



あまりに信じ難い内容に、流石の私も困惑を隠せなかった。


原因不明の爆発?カプセルがここに落ちてくる?
何がどう転んだらそんな映画みたいな状況になるんだよ。

あーーーもうっ!!
最悪も最悪!想定しうる中で一番最悪だよ全く!!
何で最近になってこんなに大規模な事件ばっか起きるんだよ!!絶対に何かおかしいって!!


そうして私は文字通り頭を抱えてしゃがみこんだ。
電話の向こうでは、佐藤が指示を仰ぐように私の名前を呼んでいる。


……もう、うだうだ言っている暇はない。私がどんなに騒いで喚いたとしても、この最悪の状況は変わってくれないのだから。
だったら、ここにいる大勢が死ぬ前に出来る限りのことをするしかない。



「……分かった。
取り敢えず、展望台にいる避難民を全員下に降ろす。下も下で大変だろうけど、上手く捌いてちょうだい」

『りょ、了解です』



多分、下は今阿鼻叫喚の巷と化していることだろう。3万人というただでさえ大規模な避難だったにもかかわらず、それに加えて情報の錯綜により流れてきたらしい一般避難民もいるのだから。
きっと地上の避難誘導をしている目暮警部たちは今頃目が回っているはずだ。

しかし、だからと言って今この展望台にいる人々をここに留めているわけにもいかない。あと数分という時間の中で、これだけの人数を地上までエレベーターで運びきらなければならないのだ。
少しでも迷っている暇はない。


私は、手に持っていたメガホンを構えて大きく口を開いた。



「皆さん!聞いて下さい!!
今から、再び地上へ戻ります。来た時同様、順番にエレベーターに乗り込んでください!」


私の言葉を聞いた人々は途端にざわざわし始めた。
えー折角上ってきたのにーという人もいれば、何かあったの…?と不安を口にする人もいる。
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