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【名探偵コナン】sangría

第34章 悪夢のつづき



「あら、奇遇ですね風見さん。こんなところでお会い出来るなんて」


そう、私の後を尾行していた人物とはつい先日も一悶着あった相手、風見警部補だった。

ガチャ、と音を鳴らしながら顎の下から銃口を突きつけた。
あまりに一瞬の出来事に、当の風見さんは動けないようである。



「……き、君…これは……!?」

「あぁ、拳銃です。
ここ最近常に持ち歩いているんですよ。こういう時のために」

「……許可のない拳銃の持ち出しは禁止されている」

「私の辞書に規則なんて文字はありませんから。
動いたら、あなたの頭が吹っ飛びますよ」


私の言葉に、体を強ばらせて微動だにしない風見さん。
しばらく、お互いに睨み合うという膠着状態が続いた。













「……ふふ、うふふっ」

それを破ったのは、私の笑い声だ。


「うふふ、あはははっ!!」


突然の私の変わりように、風見さんは鳩が豆鉄砲を食らったようである。


「あーー面白い。
あ、ごめんなさい。これ、おもちゃです」

「……え?」

「この間百均に行ったら売ってて、面白くて買っちゃいました。
結構リアルですよね〜。現役警察官を騙せるくらいには」


そう言いながら引き金を引くと、パンッと音を鳴らして銃口から日本国旗が出てきた。
それを見てはぁぁぁ、とでっかいため息を着く風見さん。


「すみません、ちょっといたずら心が疼いちゃって」

「…君は何をしたいんだ」

「それはこっちのセリフです。バレバレな尾行なんかしちゃって、一体何が目的なんですか?」



すると、まるで私の問に応えるかのように風見さんの電話が鳴った。
目で出ていいか問う風見さんに「どうぞ」と手を出す。


「風見です。はい、今丁度……えっ、い、いいんですか?
でも……す、すみません。分かりました、すぐに連れていきます」


何やら意味深な電話内容のようだけど、一体誰からなのだろうか。
電話を内ポケットにしまい、まっすぐにこちらを見る風見さん。


「今から君を、警察庁に連れていく。残念ながらこれは命令だ。従ってもらうぞ」



あーなるほどそういう事ね。何となく話の内容が見えてきた。


「分かりました。大人しく着いていきます」



そうして私は、先程まで私たちをつけていた車へと乗り込んだ。
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