第34章 悪夢のつづき
「なるほどね…。
ちなみに、その幹部のコードネームは?」
「今の所報告されているのが、『ジン』『ウォッカ』それから『ベルモット』
この辺りかしら」
私も当たり前に飲んだことがある、世界中で親しまれているお酒達じゃないか。…皮肉なものだな。
「分かった、色々教えてくれてありがとう」
「それはいいんだけど、本当に気を付けなさいよ?いくらあなたが優秀でも、鉛弾に貫かれたらみんな死ぬんだからね」
「ええ分かってる。でも、出来るだけのことはやるつもり」
「そう。ふっ、らしいわね。
まぁ、また何かあったら連絡ちょうだい。情報提供ならいつでもしてあげる」
「流石ね。ありがとう」
そうして電話を切った。
幹部のコードネームがわかったのは大収穫だろう。きっとこれは、赤井さんやコナンくんに聞いても教えてもらえなかっただろうから。
あと、私に出来ることとすれば……
「ねぇ青柳、現場の東都水族館ってまだ入れるんだっけ?」
「一応、警察の入場許可は明日までですけど。何でですか?」
「今から行ってくる」
「え、今からすか…!?もう定時ですけど」
「警察官に定時なんてあって無いようなものじゃない。とにかく行ってくるから」
「え!?あ、ちょ、俺も行きますっ!」
私は早々と足を進め、なぜか着いてきた青柳と共に東都水族館へと向かった。
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「さん〜、そろそろ帰りましょうよ」
青柳が、もう何度目か分からない不平を口にした。
まぁそれもそのはず、全ての電気回路が止められている現在の東都水族館では日が落ちたら文字通り真っ暗なのだ。
だが、だからと言って帰る訳にはいかない。
「うるさいな。帰るなら1人で帰って」
「車1台しかないのに俺が帰ったらさん帰れないじゃないですか」
「タクシー捕まえる」
「だとしても、この暗い中女の人1人じゃ危ないですって」
青柳の言葉なんて無視して、私は懐中電灯片手に地面に這って探し物を続ける。