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【名探偵コナン】sangría

第33章 純黒の



翌日、

私は例の女性が搬送されている東都警察病院へ来ていた。
今日行われる女性の取り調べに立ち会うためだ。
ちなみに青柳は別件でいない。



「本当に来ちゃいましたねー!」
「だけど、哀ちゃんとコナンくんに内緒でよかったのかなぁ…?」
「いいよ、アイツらに言うと絶対にダメだって言うから」


病院内へ入ると、聞き覚えのある賑やかな声が聞こえてきた。
たくっ、あの子たち………


「とりあえず行ってみましょう!」
「うん!」「おう!」

「コラッ!君たち何勝手に入ってきてんの!!」

「「「さん!?」」」

「ここは関係者以外立ち入っちゃいけないのよ?」

「で、でも、お姉さんのお見舞いに来たかったんだもん」
「オレらいっぱい遊んでもらったからよォ」
「昨日倒れたのも、ボクたちが観覧車に連れていったからかもしれなくて…」


「ごめんなさぁい」と言ってしょぼん…とする子供たち。
その姿を見ていると、なんだか居た堪れない気持ちになってしまう。


「はぁ…もう、しょうがないんだから。
分かった、私がどうにかしてあげる」

「「「ほんとっ!?」」」

「たーだーし!!条件があります!
あのお姉さんについて君たちが知ってること、私に教えてくれない?」

「「「もちろん!!」」」


我ながら狡い大人だと思うが、相変わらず何も分からない今、頼れるのはこの子たちだけなのだ。




「じゃあまず、あのお姉さんとはどこであったの?」

「東都水族館のゲート前のベンチで座ってたんだよ!」
「コナンくんと灰原さんが見つけたんです!」
「オットセイの目が綺麗だったんだよな!」
「元太くん、オットセイじゃなくてオッドアイですよ」
「あれ、そうだっけか」


「その後は?」

「みんなでお姉さんの記憶を取り戻すお手伝いをしたの!」
「なんたって、ボクたちは少年探偵団ですから!」
「あの姉ちゃんすっげぇんだぜ!ダーツで全部真ん中に刺さったんだ!」
「これ、その時に貰った景品なんだ!」


そう言って子供たちが見せてくれたのは、色違いのイルカのキーホルダーだった。


「へぇー可愛いわね」

「この白いのは姉ちゃんの分なんだぜ!」
「コナンくんが試作品をもらってきてくれたんです!」

「みんなでお揃いなんだ!素敵ね」
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