第33章 純黒の
「もしもし佐藤?
ごめん、頼まれた案件なんだけどまだ何も掴めてなくて…」
『女性が倒れたそうです!!たった今コナンくんから連絡があって!』
「はぁ!?倒れた!?」
『急に頭を抑えて苦しみだいたらしくて、今からその現場に急行する所です』
「現場はどこ」
『東都水族館です』
「す、水族館!?」
『はい』
「わ、分かった、私達もすぐに向かうわ」
そのまま佐藤との電話を切った。
「どうしたんです?」
「なんか、調べてた女性が東都水族館で倒れたらしいの」
「東都水族館って、今朝ニュースでやってた今日リニューアルオープンしたっていうあの?」
「ええ。よく分からないけど、とりあえず行くわよ」
現場である東都水族館にナビを設定して、私達もすぐに現場へと急行した。
運転は青柳がしてくれているので、私はその道すがら東都水族館に着いて調べる。
はぁ、こうなるなら朝のニュースちゃんと聞いておけば良かった。
東都水族館は、今回のリニューアルにより大きく3つの進化したポイントがあるそうだ。
1つ目は、遊戯施設や各種店舗を全て屋内に設置したこと。これにより天候を気にすることなく全ての施設を開園から閉園まで楽しめるようになったんだとか。
2つ目は、水族館の売りであるイルカたちによる華麗なショー。以前から人気のアトラクションだったが、ショーの内容を1部一新。さらにイルカたちの演技にも磨きがかかり、観客に驚きと感動の時間を与えてくれるらしい。
そして3つ目は、今回のリニューアル最大の売りである世界初の2輪式大観覧車。
南北それぞれにノースホイールとサウスホイールを用意し、搭乗した方角により違った景色が見渡せる。また観覧車の周りに配置された噴水からは水と光のスペシャルショーが行われ、地上100メートルからの絶景とのコラボレーションを楽しめるそうだ。
なんともまぁ、大変賑やかな遊戯施設ですこと。
「もうすぐ着きます」
青柳の言葉通り、目の前には大きな観覧車と5色のライトが見えてきた。
プライベートで来たのなら楽しそうな場所だが、仕事となると目が痛くなるような光景だ。