第4章 青い夏
青い空、広い海、白い砂浜_____
そして、テントの下で1人佇む私
完全に抜かった。
今の状況を簡単に説明すると、焼きそばを買いに行ったゼロとヒロは多数の女の子に囲まれ、飲み物を買いに行った萩は自分から女の子に絡みに行き、松田はそれに巻き込まれている。
忘れていた。奴らの顔が良いことを。
警察学校ではむさいゴリラ集団なのに、1歩外に出ればただの筋肉ムキムキイケメン集団になってしまうということを。
保護者もとい伊達が居ない今日、この状況を収集出来る者は存在しない。
面倒事にも巻き込まれたくないので、ひたすら事が収まるのを待つしかないな
一方私はというと、いつ来るか分からない焼きそばと飲み物を待ちながら静かに海を眺めている。1人で。
もちろんハブられているわけでは決して無く、誰か一人が荷物番をしなくてはならないということで私が名乗りを上げたのだ。
その時、ヒロからパーカーを渡され「絶対にここから動かないで」と散々言われたので、その通りにこうしてみんなを待っている。
別にナンパをして欲しいわけじゃないけど、1人くらい話しかけてくれても良くない?
そりゃ確かに、可愛らしい女の子がいっぱいいる中で腹筋バキバキの女に話しかけるような物好きはそうそういないかもしれないが、にしても静か過ぎないですか?
今の状態でかれこれ20分は経っているのに、一向に何かが起こる気配がない。
ひと夏の恋とか、海から始まるラブストーリーとか、そういうの期待してたんだけどなー
彼氏だイケメンだとあんなに騒いでいたのにこのザマですか
やっぱり私には向いてなかったんだな、こういうの。
そうして私は大きなため息を吐いた。
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「おい、あそこに1人でいる女の人、めっちゃ美人じゃね」
「まじだ。めっちゃタイプだわ
俺話しかけに行こうかな」
「やめとけ
あの人、さっきガタイのいい男4人侍らせて歩いてたぞ」
「いや、侍らせるて」
「ガチなんだって。俺その4人にめっちゃ睨まれたんだから!」
「まじかよ」
「やめとこ」