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【名探偵コナン】sangría

第30章 お茶会



「お待たせー」

「遅いですよ!」

「そう?ごめんって」


駐車場にて停めていた車に乗車する。
もちろん、言っていた通り運転席だ。


「長々と何話してたんすか?」

「そんなに長かった?せいぜい15分くらいでしょ」

「十分長いっすよ!てっきり5分程度で帰ってくるものかと」

「ごめんなさいってば」

「別にいいすけど。
それより、何話してたんですか?
もしかして、連絡先聞かれたとか…?」

「別に、他愛もない話よ。
連絡先は…聞いても向こうが教えてくれないし」


データ流出の観点から、察庁の公安のごく一部は自分の本当の連絡先を他人に教えてはいけない。…らしい。
もしかしたら、あいつ自ら教えたくないだけかもしれないけど。

お陰でこっちからあいつに連絡することは出来ない。
まして好きな時に会うなんて不可能。



「さんに連絡先を教えたがらない男なんているんすね」

「あんた、私の事なんだと思ってんのよ」

「さんはもっと自覚した方がいいですよ?
黙ってれば美人なんすから」

「黙ってればは余計よ。
そういえば呼び方戻ったわね。さっきは私のこと名前で呼んだのに」

「あ、いや、あれは…対抗心というかなんというか……」

「え?」

「な、なんでもないです」


そんなこんなで車を発進させた。
助手席に人を乗せるなんて久しぶりだな。
誰かが乗ってたらその人に運転してもらっていたから。

人を乗せるのも、案外悪くないもんだ。





「…なんか、上司に運転してもらってる車って緊張しますね」

「何でよ」

「こりゃ、助手席じゃ寝れないっす」

「全然寝てくれて構わないけど」

「さん、俺が寝たら暴走するでしょ?
近道〜とか言ってドリフトしたり」

「あ、何?そういう意味の緊張?
上司に運転させるの申し訳ない的なやつじゃなくて」

「はい、死にそうだなって」

「大丈夫よ、安全運転で行くから」

「その言葉が1番怖いす」


どんだけ信用無いんだよ私は。
ま、確かに青柳が寝たら近道しようとは思ってたけどさ。
だって、早く本庁に戻らなきゃだし。

だからってそんな事故を起こすような運転しないのに。
今までだってギリギリで回避してきたもん。


「やっぱり、俺運転します」

「だめ」

「あぁ、今日が最後かもしれない…」
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