第30章 お茶会
ただ、問題は私がその組織について無知であること。
どれほどの規模で、どれほど脅威なのかが全くと言っていいほど掴めない。
だが、そんな悠長な事も言ってられないだろう。
やはり、もっと情報が必要だな。
私の身が危険にさらされるなんて知ったこっちゃない。
まずは行動あるのみだ。
「よしっ」
気合を込めて口に出し、ベッドから立ち上がった。
……ふと、目に入ってきた窓の外の光景。
「外が、明るい……?」
…え?何で?
なぜ太陽が顔を出しているの?
混乱する頭。
と、とりあえず、時計を確認しよう……。
そうして開いた携帯に表示された時間。
『6:17』
……え?
「あ…あ……朝だぁぁああ!!」
はるか遠くまで響いたのではないかという声量で私は叫んだ。
た、タイムスリップした?
あ、この場合はタイムリープか?
ワープ?テレポーテーション?
いやいやそんなのどうでもいい。
冷静になれ。
考えるんだ。何で今朝なのか。
そりゃあ時間が経ったからだろ。
え、じゃあ私は一晩中頭を働かせて考えまくってたってわけ?
そ、そんなに時間かけてたか?
自分の中じゃせいぜい経っても30分だった。
気がついたら朝なんてそんな事ある?
いや考えたってしょうがない。事実は事実だ。
問題は、私が家を出なきゃいけない時間が6:30という事。
風呂にも入ってないし、てか一睡もしてないのに今から準備して間に合うか?
車飛ばせばギリ行けるか。
バレたら怒られちゃうけど背に腹は変えられん。
とりあえずまずは何からすればいい?
風呂か?メイクも落としてないしとりあえず脱衣所行くか?
どうしよう、モタモタしてるうちに6:23になっちゃった。
でも臭いままで本庁なんて無理。ゼッタイムリ。
よし、1分で風呂から出よう。
着替えの下着をガッと掴んでダッシュで脱衣所へ向かった。