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【名探偵コナン】sangría

第30章 お茶会



そして、以上のことから導き出された私の推理。

ーー……『赤井さんを殺したのはゼロなのではないか』


私はあの米花デパートで、一瞬ゼロの気配を感じた。
あの時は気の所為かと思ったが、もしそれが正しかったのならあの場にゼロがいたという事になる。
しかし、ゼロの姿は確認出来なかった。
となると考えられるのは、何者かに変装していたという事。
そう、それがきっと火傷の男なんだ。
つまり、偽物の赤井さんの正体はゼロだったんだ。

こう考えれば、全ての辻褄が合う。
ゼロが私に沖矢さんについて聞いてきた事も、コナンくんがゼロについて探っている事も、それでコナンくんが私に盗聴器を仕掛けた事も、全てに説明がいく。





ーー……だが、自分で導き出したこの推理を否定している自分もいる。


ゼロが、赤井さんを殺した……?

例え未遂だとしても、銃を向けて頭部を撃ち抜き、車に火を放った事に変わりは無い。

……ゼロがそんな事をするわけない。
だってゼロは、正義と信念を胸にこの国を守るために戦う、私と同じ警察官。
私の、大切な仲間。

そんなゼロが、人を殺めるなんてことするはずがない。


理性と感情が入り乱れ、裏腹な気持ちが募っていく。





……その時、ふと今日感じた胸騒ぎを思い出した。

そうだ、あの妊婦さん。変装していたゼロの奥さんだと言っていた女性。
あの人は何者だったのだろうか?

ただ、纏っていた雰囲気が只者ではなかった。明らかに警察関係者ではない。
恐らく、ゼロが今日あの神社に訪れていた目的は警察官としてではなく潜入先の案件だったんだ。
となると、あの女性は潜入先の関係者。つまりは危険人物。

あの女性も、赤井さん殺しに何か関係があるのではないか?
そうだ、別に赤井さんを殺した人物が1人だと限った訳では無いんだ。
複数人、更には大きな組織である可能性もある。


ーー……『組織』

ゼロがベルツリー急行で言っていた。

その組織にゼロは潜入しており、組織が殺した赤井さんの生死の確認をゼロが担った。
赤井さんはその組織から身を隠しており、私にとってもその組織は危険。
そして組織の情報をFBIが握っていて、FBIと繋がっているコナンくんにまで流れ込んでいる。



これだ……!!
これが、私が最終的に導き出した答え。
これなら全てに納得がいく。
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