第28章 人魚
それから数十分後、
「すごいよ園子!久々の推理クイーンだったね!」
「私も驚いたわ!まさか園子さんに謎解きの才能があったなんて!
私は全然、キッドの手口に気づけなかったから」
「ま、まぁね〜あはは」
そんな会話をしながら、女子高生達とコナンくんと一緒に大きな廊下を歩いていた。
「あ、ちょっとトイレに行ってくる!」
「あ、私も!」
蘭さんと園子さんさんがトイレへと向う。
残った私とコナンくんと世良さんは再び廊下を歩いていく。
そうして、ニヤリと笑いながらコナンくんへと質問をした。
「コナンくんも分かってたでしょ?キッドの手口」
「え!?あ、うん、まぁね」
「さっすがね!
でもあの推理、ちょっと不十分だと思わない?
あの仕掛けで亀の体はプレートの裏に隠せたとしても、宝石に付いていた長いネックレス部分が垂れ下がってプレートからはみ出しちゃうと思うんだけど」
「多分キッド自身も強力な磁石を持ってたんだよ!
それでプレートからはみ出てるネックレスの留め金をガラス越しに磁石に吸い付けて、くるっと回してから話してプレートの磁石にくっ付けて隠したんじゃないかな?」
「なるほど!じゃあ、キッドはあの水槽に怪しまれずに近づく必要があったって訳ね」
「うん!それが出来たのは、多分水槽がカーペットに覆われた時。
次郎吉おじさんの足元にカードを撃ち込んだのも多分その時」
「確かに、カーペットに巻き込まれた私たちはもみくちゃになってたから、あの中にキッドがいて何をやったとしても怪しまれないわね」
「その証拠に、蘭姉ちゃんが園子姉ちゃんから時間を聞かれて携帯を開いた時に『あれ?』って言ってたでしょ?
あれは蘭姉ちゃんの携帯電話が開けた途端に真っ暗になっちゃったからなんだ。
二つ折りの携帯電話は磁石で開閉してるのもあるから、あの時蘭姉ちゃんの傍に強い磁石を持ったいたんだと思うよ!
だから蘭姉ちゃんの携帯が磁力を受けて閉じられたと勘違いして液晶画面が消えたんじゃない?」
「てことは、あの時蘭さんのそばにいたのは…」
「ボクと、園子姉ちゃんと、
……おめぇだよ!怪盗キッド!」
私とコナンくんの会話を黙って聞き続けていた世良さん。
ついに、その正体がコナンくんによって暴かれてしまった。
やっぱ、コナンくんは騙せないのよ。