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【名探偵コナン】sangría

第27章 侮れない



「あ、おかえりなさい」

「ん、ただいま。
付き合わせちゃって悪いわね」

「こんくらいなら平気っす」


近くに待機していた青柳の元へと戻って来た。

実はは、今日コナンが盗聴器の回収に来るのではないかと考えて、接触しやすいように警視庁から離れたここまで自ら赴いたのだ。
青柳に車を出してもらって。


「にしても盗聴器かー。やっぱあのメガネの少年は只者じゃないですね」

「ええ、侮れない子よ。本当に。
でも、一応厳しく言ったつもりだから、多分もうしないんじゃないかな?」

「だといいですけど。
ちなみに、いつから盗聴器だと?」

「最初から。
コナンくんを高木くんの所に連れていってる時、エレベーターでね。
明らかに様子がおかしかったから、後で確認してみれば案の定。
あの子が警視庁に忘れ物して、まして庁内を走り回るだなんて有り得ないから、最初から私を探ることが目的だったんじゃないかしら?」


一体、自分が何の目的でコナンから探りを入れられていたのかは分からない。
強いて言うなら安室の件だろうか。
やっぱり、はじめて知り合ったという嘘には無理があったか?いや、さっきのあの様子を見れば恐らく疑いは晴れただろう。とりあえずは安心だとは思った。


「さすがっすね。
あとさん、盗聴されてるの楽しんでたでしょ?」

「あ、バレた?」

「だってこの3日間おかしかったっすもん!
なんかいつもより優しかったし、真面目に仕事もするし、それにコーヒーの差し入れとか考えられません」

「いやぁ、いいとこ見せようと思ってさ!
かっこよくて頼れる警察官のお姉さんって思われたいじゃない?」

「あの少年は、そんなことでさんの印象を決めるような子じゃないと思いますけどね」



偽りの生活を盗聴させて、果たしてコナンの疑いは晴らしても良かったのか些か疑問は残るが、まぁ実際彼女は白なのでいいとしよう。




「探る相手は選びなさい、か…。
人の事言えないわね」


走る車の窓を眺めながらそう零した。
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