第27章 侮れない
一方コナンは、数日前同様工藤邸にて事の報告をしていた。
「ふふ、やはり彼女は欺けなかっただろう?」
「うん、ボクの方がまんまと騙された」
そう言いながらコナンはダイニングテーブルに突っ伏していた。
そして、何やらキッチンで作業をしている沖矢。
「もしかして昴さん、こうなるってわかってた?」
「まあな。これでも一応一緒に仕事したことがあるんだ。
盗聴器の1つや2つすぐ気付くだろうとは思ってたよ」
「だったら言ってくれれば良かったのに…」
「言う前にボウヤが飛び出して行ったんだろう。
安心しろ、彼女は白だ。俺が保証する」
「うん、それはボクも思い知った。
あの人はちゃんと警察官だ」
そうして沖矢は、試作したプリンをコナンへと出した。
「え、なにこれ。どうしたの?」
「最近はスイーツ作りにもハマっているんだよ。
プリンは初めて作ったんだ。味見してみてくれ」
「わ、わかった。いただきます…」
沖矢の視線を感じながらも、恐る恐るプリンを口にするコナン。
「うん、すごく美味しいよ」
「そうか、良かった。
これなら彼女にも振る舞えそうだ」
「え?さんに?」
「どうやらプリンが好きらしくてな、仲直りに使おうと」
「…あのさ、前に昴さんさんを守るのが義務とか言ってたけど、そういう義務感無しにさんのこと相当気に入ってるよね?」
「あぁ、彼女は面白いからな」
そう言って沖矢は微笑んだ。
そして途端に神妙な顔になる。
「真面目な話をするが、今こちらで彼女の身元を調べている。
彼女自身は組織と何ら関係は無いが、もしかしたら容姿の件について何か分かると思ってな」
「確かにどうしてあんなに灰原の姉ちゃんに似てるのか気になるけど……でも、いくらFBIとはいえ日本の警察官の身元を調べるのは骨が折れるんじゃない?」
「あぁ、実際まだ毛ほども情報は掴めていない。
相当厳重に保管されているようだ。
時間はかかるだろうが、もし何か分かったらボウヤにも伝えよう」
そうしてコナンも真剣な顔で頷くと、再びプリンを口にした。
そしてがこれ食べる姿を想像したが、正直プリンは似合わないなと密かに思ったのだった。