第27章 侮れない
コナンは警視庁の駐車場まで来ると、迎えに来ていた阿笠博士の車へと乗り込んだ。
「おかえり。どうじゃった新一?」
「あぁ、ちゃんと仕掛けられたよ、博士が作ってくれた最新型の超小型盗聴器兼発信器。あれならバレる心配はないだろ」
「だといいが…。
回収はどうするんじゃ?」
「一応3日間は盗聴して、その後は偶然出会した風を装って回収する」
「哀君には?」
「黙っててくれ。
あいつさんのこと気にしてるみたいだから、盗聴してるなんて分かったら怒るだろ」
「まぁ、ベルツリー急行でもお世話になっとったしな」
「あぁ、何もねぇといいが…
じゃあ行こうぜ」
そうして、黄色のビートルが警視庁を出発した。
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そこからコナンによる3日間のの盗聴が始まった。
しかし、聞こえてくるものと言えば……
『やぁやぁみんなおはよう!今日も仕事がんばろーね!
はい、警部から愛しの部下たちへコーヒーの差し入れです』
『……さん、熱でもあるんすか?』
『なんでよ』
『みんな、溜まってる仕事があれば全部私に回してちょうだい!」
『……どうしたんすか?急にやる気出して』
『いやさ、やっぱり仕事ってのは助け合いだと思うのよ!』
『は、はぁ…』
こんなものばかりだった。
組織のその字も感じられないの生活に、やはり杞憂だったかと思い知る。
でも、だとしたらやはり安室とのあの態度が引っかかるが、事実は事実。
は組織に関わりの無く、白だということが分かったのだった。
そして迎えた4日目。
盗聴器の回収に当たるため、コナンは学校帰りにが通るであろう道の近くで待機していた。
発信器を元にの居場所を確認する。
「あれ、さんだ!こんな所で偶然だね!」
そして、偶然を装ってへと接触を図った。
「あらコナンくん!4日ぶりくらいかしら?
今は学校帰り?」
「うん!」
人通りがある中、道の端でそんな会話を交わす。
「あれ、さんの袖にゴミがついてるよ?
よくつくんだね!僕が取ってあげる」
これで盗聴器が回収出来れば、何事もなく終わる。
ーー…はずだった。