第27章 侮れない
翌日、
を探ると言ったはいいものの、どうしようかとコナンは頭を悩ませていた。
普通の人間ならともかく、警察関係者の身元を探るのは至難の業だろう。
やはり、盗聴器や発信器を仕掛けるのが手っ取り早いか。
以前、不本意ではあったが同じようにして組織のメンバーを突き止めることができた。
ただ、その時は盗聴器の存在がバレてしまったが、新しく超小型の盗聴器を博士に開発してもらったのでその心配は無いはず。
問題はどう仕掛けるかだ。
この身一つで警視庁に乗り込む訳にはいかない。
直接呼び出すなんて言語道断。
……やっぱり、あの手しかないか。
そうしてコナンは携帯を取り出すと、とある人物へと電話を掛けた。
プルルプルル
「あ、高木刑事?ちょっとお願いしたいことがあるんだけど」
______
「コナンくん、忘れ物したって本当かい?」
「うん!光彦から預かってたヤイバーカードなんだけど、前警視庁に来た時に置いてきちゃって」
「で、でも、コナンくんが最後に警視庁に来たのって僕が拉致されてたあの時だよね?
あれから結構経つけど、ヤイバーカードの忘れ物なんて聞いてないけどな…」
「分かりずらいとこに置いちゃったからさ!」
「でも、なんで今になってなんだい?」
「光彦が急に返して欲しいって言うから」
「そ、そうなんだ…」
あっさりと警視庁に侵入(?)出来たコナン。
持つべきものはちょろい刑事の知り合いと言ったことろか…。
「ボク、他にも色んなとこ見てみたいなー!」
「え?あ、ちょ、コナンくん!?」
そうして、コナンは庁内を走り出した。
もちろん目指すはのいるであろう組織犯罪対策部。
エレベーターに乗り、目的の階を目指す。
ちなみに高木刑事は巻いてきた。
チーン、という音と同時にドアが開くと「わーい!」と言って再び走り出す。
走りながら、周りの様子を見て回った。
刑事部フロア以外はあまり来たことが無かったが、やっぱり雰囲気が少し違う。
扱う事柄によって変わるもんなんだな、と思っていると、ふと誰かの足にぶつかってしまった。
「おっと…えっ、子供!?こんなところで何してるんだ!
走っちゃ危ないだろ」
「ご、ごめんなさい…」
「ん?君は確か…江戸川コナン君?」