第26章 スペシャルコーチ
それから約2時間後、そろそろ私の自宅近くに到着する頃だ。
「あれ、そういえば私の家よく知ってたね」
「おい、まさか覚えてないのか?あのベロンベロンに酔っ払ってた時」
「……まさか、この間の佐藤と由美と飲んでた時のこと?
え、あれゼロだったの!?」
「たくっ、本当に大変だったんだからな?
足元がおぼつかないを背負って、家に着いたら着いたで鍵がないとか騒ぐし、やっと入れたと思ったら抱きついて離れないし」
「その節は大変ご迷惑をお掛けしました…」
そう言いながら、私は隣のゼロへ深く頭を下げた。
「ところでさ、私のパンツ見た?」
「…………見てない」
「あー見たんだ」
「だってしょうがないだろ!!がスラックスまで脱がせろって聞かなかったんだから!!」
「わーお開き直った。
別に怒ってないしむしろ感謝してますよ。
それに、見られたのがゼロだったなら安心だわ。私の社会的地位が危ぶまれなくて済む」
「どういう意味だよ」
「ゼロには既に色んな醜態晒してるから、パンツくらいどうってこと無いって事」
「はぁ全くお前なぁ、こっちがどんな思いでスラックス脱がしたと思ってんだよ……。
とにかく、もう他人にに迷惑かけるような飲み方はよせよ」
「うーす」
「…信用出来ない返事だな」
「だって、飲まなきゃやってらんない時だってあるでしょ」
「だから、そういう時は節度を持って飲めって言ってるんだ!
何かあったらどうするんだよ。いつでも僕がいるわけじゃない」
「そんなのわかってる。
大丈夫だよ!近寄る男はコテンパンにしてやるから」
「そういう問題じゃない!もう、心配すぎるんだよは…」