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【名探偵コナン】sangría

第26章 スペシャルコーチ



そして、ナビが目的地までのルートを終了した。
私の自宅のすぐそばに車が止められ、ハンドルから手を離したゼロがこちらを向き直る。


「心配ついでにもう1つ、これは言わなきゃいけない事だから言うぞ。
……ベルツリー急行で聞いた事は全て忘れろ。
これ以上、その事について探るな」

「……嫌って言ったら?」

「絶対にダメだ。
が手を出そうとしているそれは、想像の数十倍凶悪で大きなものなんだよ。少しでも関われば命だって危うくなる」

「……そんな所に、ゼロは潜入してるってこと?」

「それは…言えない」

「…だったら私はやめない。私だって、ゼロのことが心配なんだから」

「……僕は、を危険に晒したくないんだ」

「そんなの同じだって。
それに、この世でまともにゼロを守れるのなんて私くらいだと思うけど?」

「それは、自惚れ過ぎじゃないか?」

「こういう時は嘘でも肯定すればいいんだよ!
とにかく、私は私なりにゼロを守るから」

「だからそれが危険だってッ……!!」


反論をやめないゼロの口に、人差し指を押し付けた。


「これ以上、喧嘩したくない。
せっかく楽しいドライブだったんだからさ、ね?」


私がそう言うと、ゼロは静かに口を閉じた。
少し納得いかないような顔をしている。



「送ってくれてありがと」


そうして私は車を出た。
すると、運転席の窓が開いてゼロが顔だけ出した。



「、さっき伊豆高原で言ったこと本当だからな。
その、初めて会った時から綺麗だなって思ったってやつ」



そうして「じゃ、気をつけろよ」とだけ言って、ゼロは車を走らせて行ってしまった。
残った私はその場に立ち尽くしている。


「……何それ…言い逃げかよ……」


私は両手で頬を包み込んだ。
少し熱くなってたのは、内緒。
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