第3章 ちゃんと見て
どれくらいの時間が経ったのか
私は息を整え、顔を上げた
「私、父さんとちゃんと話す。ちゃんと話して、ちゃんと私を見てもらう」
「うん」
そうして私たちは立ち上がった
「ありがとう、萩」
「お易い御用。俺の胸ならいつでも貸すからね」
そう言ってグーサインをする萩。
思わず笑みがこぼれた
私は、本当に仲間に恵まれているな
「ありがとう」
もう一度口にして、私はその場を後にした
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「お前ら、そこに居るのバレバレだぞ」
いつからか壁の影に隠れていた4人の大男がギクリと肩をならす
「まじかよ」
「バレてたんだ」
「だから言ったんだ。早く部屋に戻ろうって」
「いや、ゼロが1番聞き耳立ててたじゃないか」
「聞き耳って、人聞きが悪いぞ」
「とりあえず、が落ち着いて良かったよ
さすが萩原だな」
「まあね」
「女たらしも、たまには役に立つんだな」
「俺はたらしじゃなくて、女の子に優しいの!
もう、陣平ちゃんったらひどい」