第25章 ミステリートレイン
___が知らぬ間に、ベルツリー急行ではこんなことが起きていた。
「おばさん達、キッドでしょ?」
「な、何の冗談かしら?」
周りが火事騒ぎでパニックな中、8号車に残った彼らはそんな会話をしていた。
「とぼけんなって。
まぁ、感謝してくれよ!事件に関わる事を避けて何も見ていないっていうあんたらをあえて不問に付してやったんだから」
「はっ、バレバレだったってわけか!
んで?俺に恩を売って何させようってんだ?」
「この彼女に変装して悪い奴らの追撃をうまくかわして欲しいんだ!
奴らと話す内容はマイクで拾って、別室で待機してる彼女本人がイヤホンを通して伝えるから!」
携帯の写真を片手に切羽詰まった様子で話すコナン。
「おいおい、とんだ無茶ぶりじゃねぇか名探偵」
「出来るか?」
「ま、借りはすぐに返す主義なんでね。
でも、こちらとしてもちと条件がある」
「……なんだ」
「俺の客人の安全を確保して欲しい」
「客人だぁ?」
「それはそれはお転婆な女性でね。
今日も、俺を揺すって無理やりこの列車に乗車してんだよ」
「……おい、それってまさか」
「あぁ、おめぇもよーく知ってる彼女だ。
なんでも、守りたい奴ってのがいるらしくてな。
彼女だったら、この騒ぎの中でも構わず行動するだろうから」
「…わかった。あの人の事はこっちに任せろ。
頼んだぜ」
「任せとけ、名探偵」