第3章 ちゃんと見て
みんなと解散後、やはり私の頭を占めるのは父との会話。そして、母の訃報であった。
私は一体何をしているのか。
帰らない
なんて、こんな時に自分勝手にも程がある。実の母親が亡くなったというのに、なんと親不孝な娘か。
本当、父の言う通りである
やはり、こんな下らない反抗をやめて、今すぐ実家に戻るべきだ。
でも、戻ったらきっと、警察官を無理やり辞めさせられる。警察学校に戻ってこられるかも定かではない。
そんなことは絶対に嫌だ。
裏腹な気持ちが渦巻く中、私は共用の廊下でうずくまっていた。
「お嬢さん、そんな所にうずくまってどうしたの?」
声が聞こえた頭の上へ顔を向けると、そこには萩がいた。
「ちゃん、教官室から戻ってきてから様子がおかしかったからさ。気になって見に来れば、案の定」
「ほんと、萩はよく見てるね」
「まあね。女の子の変化には敏感なもんで
で?何があったのかは知らないけど、話くらいは聞きますよ?」
そう言って、萩も私の隣の床に腰掛けた
「実はね_____