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【名探偵コナン】sangría

第25章 ミステリートレイン



『緊急連絡です!
只今、当列車の8号車で火災が発生致しました!!
7号車と6号車のお客様は念の為、前の車両に避難して頂きますようお願いします!』


突然、そんな車内アナウンスが流れた。

火事、だと…?
確か8号車って、ゼロやコナンくん達がいる場所じゃなかったか…?
それに、哀ちゃんもどこにいるか分からないってのに……


「ここ、6号車でしたよね…?」
「う、うん…」
「んじゃ逃げねぇーと!」

子供たちも焦り始めている様子だ。


「火事だァ!!」
「逃げなきゃ!!」
「いやァーー!!」
「み、皆さん落ち着いて……!」

そんな声が廊下から聞こえてくる。
状況はパニックか…!!



「みんなは、私の部屋の5号車のE室で待機してて。
毛利さんやコナンくん達が来たら、彼らも一緒に」

「え、さんは一緒に来ないんですか…?」

「私は、哀ちゃんを探してくるわ。
それに、やらなきゃいけないことがあるから」

「え、でも火事って、急いで避難しなきゃ……!!」

「大丈夫よ園子さん、みんなも落ち着いて。
ついでに状況も確認してくるから、みんなは焦らずに、走らず避難をしてちょうだい。
いいわね?」


そう言葉を残して私は部屋を出て、火元と思われる8号車へと向かった。

















「ゴホッゴホッ」

やはり、火元に近づくにつれて煙が濃くなっているな。
でもこの煙、空間に満遍なく広がっている。
火事の煙なら、普通は上に溜まっていくはずだ。
足元まで全て煙で覆われることは無いはずなのに。
それに、8号車まで来たというのに全く熱さを感じない。
この火事、なんか変だ。

そう思いながら足を進めると、ふと声が聞こえてきた。



ーー…この声っ!!間違いない、ゼロの声だ。

私は壁によりかかり死角に入った。
耳を傾けるが、煙が充満しているのと少し距離があるせいで上手く聞き取れない。



『ーー……バーボン……』

『ー…諸星大…ーー…組織……』



どうやらゼロは誰かと話しているようだが、相手の声も掠れ掠れでしか聞こえない。

なんだ?なんの話だ…?
バーボン…諸星大…組織……?
一体なんの事なんだ……?
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